サーバ統合を進める2つの方法【後編】
「サーバ仮想化」を成功させる4つのポイントとは?
サーバ仮想化はサーバ統合の方法の一つだ。サーバ仮想化とアプリケーションの移行を成功させるには、どのように計画を立てればよいのか。
サーバ統合はサーバの利用効率を高めて、運用負荷の軽減やコストの削減を図ることを指す。サーバ統合の方法の一つとして、サーバ仮想化が挙げられる。サーバ仮想化は物理サーバで複数の仮想マシン(VM)を実行できるようにする手法だ。その結果としてサーバの集約が可能になる。本稿は、サーバ仮想化やアプリケーション移行を計画するときの4つのポイントを説明する。
サーバ仮想化を成功させる4つのポイント
1.リソース量の設計
連載:サーバ統合を進める2つの方法
サーバ仮想化について詳しく
1つ目の検討事項は、ホスト(物理サーバ)のリソース量だ。管理者は、必要なVMの個数を見積もり、各VMをホストするために必要な物理サーバの数を計算する必要がある。アプリケーションによって必要なVMのリソース量は異なる。アプリケーションの要件に基づいて、あるVMのリソース量は他のVMよりも大きくなる可能性がある。ホストがVMに必要なリソース量を提供できるかどうかを確認する必要がある。
インフラを設計する際は、将来必要になるリソース量を十分に備えているかどうかも重要だ。将来新しいアプリケーションの需要が発生した場合や、VMに障害が発生した場合の備えになる。VMをフェイルオーバー(待機系への切り替え)できるよう、実行中のアプリケーションに加え、他のホストの障害発生時に移行してきたアプリケーションを処理するのに十分なリソース量を備えたホストが必要だ。
2.VMを実行するための手段
2つ目の検討事項は、Microsoftのハイパーバイザー「Hyper-V」やBroadcomの「VMware ESXi」などを含めて、どのハイパーバイザーを使うかを決めることだ。何台のホストをクラスタ化(VMのリソースとして協調動作させること)するのかを検討する必要もある。
クラウドサービスでVMを利用することもできる。クラウドベンダーは、VMをマネージドサービスとして提供している。クラウドベンダーは、ユーザー企業に代わってホストの管理やアップデート作業を代行する。ユーザー企業はハードウェア管理の必要がなくなるため、VMの管理に集中できる。VMはクラウドベンダーのデータセンターで稼働するので、自社データセンターの電力を消費しない。
クラウドサービスにもデメリットはある。1つ目のデメリットは、クラウドサービスではVMを完全に制御できないことだ。VMの細かい制御が必要な場合や、クラウドサービスではVMの要件を満たせない場合は、オンプレミスサーバを選ぶ必要がある。2つ目のデメリットは、用途によってはクラウドサービスの方がオンプレミスサーバでVMをホストするよりもコストが高くつくことだ。ただし逆のケースもある。
3.サーバ統合にかかるコスト
サーバ統合プロジェクトに必要なコストに注意を払う必要がある。ハイパーバイザーのライセンスだけでなく、VMの管理・監視ツールや容量管理ツールが必要な場合がある。選択した仮想化製品やサービスによっては、サポートサービスの契約が必要になる場合もある。
4.移行方法
最後にアプリケーションをVMに移行する方法を検討する必要がある。アプリケーションごとに差異はあるが、基本的にはサービスの中断を避ける必要がある。
サーバ統合の手法
サーバ統合の手法は、サーバ統合の方法や実行するアプリケーションによって異なる。オンプレミスインフラで統合するのか、またはクラウドサービスに移行するのかによっても異なる。
サーバ統合で主に使われるツールは、クラウドサービスとオンプレミスインフラを統合的に運用できるツールと、災害復旧(DR)のためのツールだ。クラウドベンダーは、オンプレミスインフラで実行中のアプリケーションをクラウドサービスに移行するための運用ツールを提供している。VMのプロビジョニング(配備)を自動化するデータベース移行ツールやアプリケーション変換ツールを提供するベンダーもある。
DRツールは、物理サーバのアプリケーションをバックアップし、移行先の物理サーバもしくはVMにバックアップデータをリストア(復旧)する。DRツールで移行先のサーバにアプリケーションのフェイルオーバーを実行することで、ダウンタイムなしで移行できる場合もある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
「インターネットが遅い」問題を解決する、原因特定方法と3つの見直しポイント -
市場調査・トレンド
10G回線サービス調査から見えた幾つもの導入課題、スムーズに解決する方法は? -
製品資料
社会保険料の会社負担で人件費が増大? 給与だけでは見えないコストの算出法 -
市場調査・トレンド
【経営センスが分かるクイズ】過剰借入のチェックに役立つ経営指標とは? -
製品資料
【経営センスが分かるクイズ】「好業績」を錯覚しないためのポイントとは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
なぜ人はいるのにDXが進まない? ライオンも直面した“老害”レガシーシステム
-
5
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
6
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
7
エンジニアが選考を辞退する本当の理由 7割が隠す“面接の違和感”とは
-
8
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
9
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
10
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
2
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
3
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
4
オープンウェイトLLMの推論最適化事例:ローカル環境で応答速度を約15分の1へ
-
5
「結局、一部の人しか使わない」 AI活用が業務に定着しない根本的な理由
-
6
コスト分析で見る「デバイス復旧」の代償 損失額から導きだされた投資戦略とは
-
7
3分で分かる経理DX 富士通が約20%の業務効率化を実現した方法とは
-
8
ランサムウェア侵入経路の80%以上 「外部公開資産」のリスクにどう対処する?
-
9
属人化や仕様バグはなぜ起きる? AI時代に必須のドキュメント文化の作り方
-
10
熊本城マラソンが顔認証システムを導入、本人確認はどのように変わったのか?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー