DevOpsの価値は開発プロセスの効率化だけでなく、開発者の仕事を楽しくすることにある。DevOpsスキルを身に付けることで、開発者にもたらされるメリットを解説する。
エンジニアはDevOps(開発と運用の融合)のスキルを磨くことで、職場における自らの価値を高めるだけでなく、仕事をより楽しめるようになる。それはなぜなのか。DevOpsの学習および実践が、企業やエンジニアにもたらすメリットを、その基本的な知識と併せて解説する。
DevOpsは、特定のツールや手法ではなく一つの概念だ。その本質は、開発プロセスの変革とソフトウェアデリバリーの効率化にある。
従来、企業が採用する開発手法としては「ウオーターフォール」型(開発工程を上流から下流へと順番に進める)開発が主流だった。ウオーターフォールでは、開発工程の後半に大規模なテストを実施するため、バグなどで手戻りが発生する可能性が高い。特にソースコードが10万行を超えるような大規模アプリケーションでは、バグの追跡にかなりの手間がかかる。
DevOpsは、小規模な変更を短期間で繰り返し、顧客や利用者からのフィードバックに基づいて継続的に改善するといった「アジャイル」手法を採用している。アジャイル手法では、アプリケーション全体を一度に開発するのではなく、アプリケーションの一部の機能から開発する。開発した機能はテスト後、アプリケーション本体に追加する。その後、アプリケーション全体をテストする。このプロセスを何度も繰り返すことで、開発の初期段階でバグを見つけたり、新しく作った部分のバグを発見したりしやすくなる。
DevOpsを採用するメリットは他にもある。それは開発チームとIT運用チーム間の摩擦解消だ。DevOpsにおいて両チームは、密接に連携し、開発するアプリケーションの内容やデプロイ(配備)の手順に加えて、デプロイ後にバグが発生した場合は、どう解消して次の開発サイクルに反映させるかを擦り合わせる必要がある。その結果、ソフトウェアデリバリーのプロセスが合理化され、開発チームとIT運用チームが衝突しにくくなる。
DevOpsでは、以下のようなさまざまな技術やツールを用いる。
DevOpsの導入企業は、アプリケーション開発において以下のようなメリットが得られる。
DevOpsの導入は、エンジニアにも以下のようなメリットを提供する。
次回以降は、DevOpsスキルを高めるための認定資格やトレーニングコースについて解説する。
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