「CentOS Linux」から代替Linuxへの“賢い移行方法”とは「CentOS」サポート終了でやるべきこと【第4回】

「CentOS Linux」から他の「Linux」ディストリビューションに移行する際、企業はさまざまな課題をクリアしなければならない。スムーズな移行を実現するためのポイントを解説する。

2024年09月17日 08時00分 公開
[Damon GarnTechTarget]

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Linux | Red Hat(レッドハット) | OS


 Red Hatの無料「Linux」ディストリビューション(配布パッケージ)「CentOS Linux」が2024年6月にサポート終了を迎えた。企業はCentOS Linuxからの移行先を選定する以外にも、さまざまな作業を実施しなければならない。スムーズな移行を実現するためのベストプラクティスと、移行を機にシステム最適化を実現するための方法を紹介しよう。

「CentOS Linux」から代替OSへの賢い移行方法はこれだ

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 CentOS Linuxの移行先としては、複数のLinuxディストリビューションが候補になる。以下はその一例だ。

  • RHEL
  • AlmaLinux
  • Rocky Linux
  • SUSE Linux Enterprise Server(SLES)

 代替Linuxディストリビューションを選択する以外にも、以下の点を考慮することで、システム全体の改善を図れる可能性がある。以下の選択肢を含め、どの選択肢が自社にメリットをもたらすのかを検討しよう。

  • インフラの最適化
    • ベアメタル(物理)サーバか仮想マシン(VM)かを選択する。
    • オンプレミスシステムかクラウドサービスかを選択する。
  • Linuxディストリビューションの統合
    • 利用中の他のLinuxディストリビューションを洗い出す。
    • 複数のLinuxディストリビューションを運用する上での課題を検討する。
    • CentOS Linuxの代替ディストリビューションに統一することで、システムの一貫性と保守性の向上が図れる。

移行ツール

 CentOS Linuxからの移行を支援するツールの例を以下に挙げる。

  • Red Hatの「convert2RHEL」
    • CentOS Linux 7をRHEL 7またはRHEL 8に変換するツール。
  • Red Hatの「Leapp」
    • RHEL 7からRHEL 8へのアップグレードツール。
    • CentOS Linux 7からRHEL 8への移行も可能。ただしRocky LinuxなどのRHELと互換性のあるLinuxディストリビューションへの移行は対象外。
  • AlmaLinuxで利用できる「ELevate」
    • CentOS Linux 7から「AlmaLinux 8」「CentOS Stream 8」などのLinuxディストリビューションに移行する際の設定や構成の変更を支援する。

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