Google検索がオンライン検索と検索広告市場に与える影響について、英国の規制当局が調査を始めた。同国では、Googleに対して70億ポンドの支払いを求める集団訴訟も起きている。どのような点が問題視されているのか。
英国競争市場庁(CMA)は2025年1月14日(現地時間)、Google検索がオンライン検索と検索広告市場に及ぼす影響について調査を始めたと発表した。同年1月1日に施行された「2024年デジタル市場・競争・消費者法」(Digital Markets, Competition and Consumers Act、以下DMCCA)に基づく調査だ。Googleのどのような“疑惑”を調査するのか。
CMAは今回の調査を通じ、以下を評価する。
CMAによると、英国におけるオンライン検索の約90%をGoogle検索が占め、英国の広告主20万社以上がGoogleの検索広告を利用している。
CMAは「オンライン検索は消費者や企業、経済全体にとって重要なデジタルサービスであり、市場競争が適切に機能することが重要だ」と主張する。同庁によれば、健全な市場競争を促すことで、企業が検索広告に支払っているコストを抑制できる可能性がある。
同庁は、Googleが市場における自社の地位を利用して他社のイノベーションを阻害しているかを評価する方針だ。Googleが競合他社の市場参入を妨げているかどうか、特にAI(人工知能)技術を活用した新しい検索サービスの開発を制限していないかを検証する。
Googleが消費者の同意を得ずにデータを収集して使用していないか、支払い条件を含む契約条件を決めないままパブリッシャーのコンテンツを使用していないかどうかなどの項目も調査する。
CMAの最高責任者サラ・カーデル氏は「英国の数百万もの消費者と企業がGoogle検索と検索広告に依存している。これらのサービスが消費者や企業に好影響をもたらし、公平な市場競争が確保されることが重要だ」と指摘する。
Googleがオンライン検索と検索広告市場で過度な支配力を有していると判断した場合、CMAはGoogleに対し、収集したデータを他社が利用できるように求める可能性がある。GoogleがAIサービスなどにデータを使用する際、パブリッシャーにデータの管理権限を与えるよう義務付ける可能性もある。
CMAは2025年10月までに調査を完了する計画だ。
英国ではGoogleに対して70億ポンドの支払いを求める集団訴訟が起きた。消費者保護団体Consumer Voiceの共同創設者ニッキー・ストップフォード氏と法律事務所Hausfeld & Co が提訴した。Googleは取り下げを求めたが、英国競争審判所(CAT:Competition Appeal Tribunal)が2024年11月に提訴自体は認めた。
ストップフォード氏らは、Googleがオンライン検索市場における支配的な地位を利用して広告コストを引き上げたと非難している。同氏は「Googleは規制当局から繰り返し警告を受けているにもかかわらず、市場を操作して広告主に高額な料金を請求し続けている」と主張する。
米国では司法省(DOJ:Department of Justice)がGoogleに対し、同社のWebブラウザ「Chrome」の事業売却を求めている。
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