SAPが小売企業向けにAIショッピングアシスタントを提供する。ユーザー企業が自社のECサイトに導入し、消費者の質問に答えてくれるツールだ。その中身は。
SAPは2025年1月9日(現地時間)、小売企業向けに人工知能(AI)ショッピングアシスタントを2025年前半から提供すると発表した。ユーザー企業は自社のEコマース(EC:電子商取引)サイトにAIショッピングアシスタントを導入することで、消費者に購買を促すことができる。専門家によると、SAPのAIショッピングアシスタントは、ある技術分野や消費者の変化を踏まえたツールだという。それは何か。
AIショッピングアシスタントは、SAPが人事や財務、サプライチェーン、調達、顧客体験などの分野向けに提供している生成AI技術「Joule」を基盤としている。カスタマーエクスペリエンス(CX)を強化するAIツール群「SAP CX AI Toolkit」の一部として提供する計画だ。
SAPのリテールソリューション管理担当グローバルバイスプレジデント、クリスティン・ハウエル氏によると、消費者はAIショッピングアシスタントに対して「私のサイズに合う商品のお薦めを教えて」「最近買ったあの靴や、バーゲン中のあのドレスに合う商品を教えて」といった質問が可能だ。
SAPのAIショッピングアシスタントの公開は、EC事業者Amazon.com、CRM(顧客関係管理)ベンダーSalesforce、AIベンダーPerplexity AIに続く取り組みだ。
「キーボードや音声を使って商品を注文する『会話型コマース』の分野は成長が著しい」。小売企業向けコンサルティング会社Klein4Retailの創業者、マイケル・クライン氏はそのように述べる。Amazon.comは2014年、スマートスピーカー「Amazon Echo」を発表した。しかし「当時のデバイスは優れたユーザーエクスペリエンス(UX)を提供できなかった」とクライン氏は指摘する。2014年から10年を経て、消費者はAIベンダーOpenAIの「ChatGPT」のような生成AIツールを使い、欲しい商品を見つけるようになった。小売企業も独自の生成AIツールを活用し、競争力を維持する必要に迫られている。
ハウエル氏によると、SAPは音声を活用したツールへの投資を続ける。音声で商品を検索し、生成AIを使って適切な回答を生成できるツールを導入すれば、消費者だけではなく、店舗や倉庫の従業員にとっても作業時間の節約になる。
「小売企業の従業員は、両手がふさがった状態で作業をする場合もある」とハウエル氏は説明する。例えば注文が入った商品を倉庫でピッキングする際、モバイルデバイスを見ながら商品を探すのでは時間がかかる。デバイスに音声で質問して場所を教えてくれる仕組みがあれば、業務負担を軽減できる可能性がある。
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