ネットワーク管理システムは20世紀の段階にとどまったままであり、いまだに人間の存在が欠かせない。だが、人間はボトルネックの一部になっている。
人は誰でもきれいなグラフが好きだ。外から見えない世界をすっきりとした形で見せてくれるからだ。しかしネットワーク管理および将来のネットワーク自動化という観点から見れば、グラフは未熟と頑迷の象徴だと言える。確かに、視覚化というのは強力な手法ではある。この点については、人間活動のさまざまな分野で視覚化が与えるインパクトを考えれば、ほとんど疑問の余地はない。実際、ビデオゲーム業界は巨大であり、経済においても重要な役割を果たしていることは、否定できない事実だ。
しかしネットワーク管理に関して言えば、グラフの氾濫が意味することは1つである。すなわち、ネットワーク管理システム(NMS)は20世紀の段階にとどまったままであり、自己修復、自律性、自動適応、アプリケーション指向といったネットワーク能力への要求に応えていないということだ。なぜだろうか。
グラフ――そして数々の驚嘆すべき視覚化手法――は、人間が理解するためのものである。ネットワーク管理システムがグラフやチャートを出力するのは、人間がそれを見て、解釈、分析し、行動を起こせるようにするためである。そして今日のネットワーク分野では、それは大いに理にかなったことである。そこには人間の存在が欠かせないからである。事実、ITスタッフの人件費とIT資本支出の比率は18:1だと言われている。とても多数の人間がいるわけだ。だから当然、多数のグラフが出力され、人々がネットワークの状態を把握することを可能にし、ネットワークの挙動に関する直感を働かせるのを手助けし、グラフが示す問題に対する解決策を見つけ出すのをサポートしているのである。
ネットワークの複雑性が急速に増大する一方で、アプリケーション融合へのニーズが拡大し、OSI参照モデルで表されるさまざまな機能の間の境界線があいまいになり、ビジネスプロセスがネットワークに大きく依存するという状況に人間が対応するのが非常に難しくなっているのが実情だ。さらに困ったことに、特に北米ではITスキルを持った人材が需要に比べて相対的に減少傾向にある。
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