製造業の利益の源泉は、工場の生産現場にこそある。乖離(かいり)しがちな現場と経営の間を橋渡しし、双方向で密な情報のやりとりを実現するITシステム、それが「MES」(製造実行システム)である。
「製造実行システム」(Manufacturing Execution System:MES)という言葉を皆さんは聞いたことがあるだろうか。聞き慣れない方も多いかもしれないが、現在世界中で着実に成長を遂げている、モノ作りを支える重要な情報システムの1つなのである。この製造実行システム、その名の通り製造の実行を担う、いわゆる「実行系」と呼ばれるシステムの一種である。
本連載ではこれから、この生産現場の実行系の情報システムが、現在の製造業の経営環境において縁の下の力持ちとして担っている役割を明らかにしていきたいと思う。
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