ERPのプロジェクト管理モジュールの選定で難しいのは、情報入力するスタッフと、プロジェクトを管理するマネジャーで求める機能が異なることだ。どのような観点で製品を選べばいいのか。ポイントを解説する。
プロジェクト型で事業を行う製造業や建設業、システム構築を行うIT企業に欠かせないのがプロジェクト管理ツールだ。ERPのモジュールとしても提供されているし、専用のアプリケーションも複数ある。主な機能はプロジェクトの立案の他に、プロジェクトの進捗管理や、人員などのリソース配分、変更管理、リポーティング、コスト管理だ。プロジェクト管理モジュールの導入や運用を成功させるためには、どのような観点で製品を選定すればいいのか。アクセンチュアのテクノロジー コンサルティング本部 金融サービスSIグループの森田浩之氏、福島 毅氏に取材し、ポイントをまとめた(参考記事:読めば分かる! ERPのプロジェクト管理)。
実際のプロジェクトにおけるプロジェクト管理モジュールの利用は、プロジェクトの「計画(WBS)策定」「作業実績登録」「報告書作成/対策実施」の3段階に分かれる。主要なプロジェクト管理モジュールや専用ツールはこの3段階をカバーする機能を備える。その中で特に注目をしたいポイントを紹介しよう。
「計画(WBS)策定」機能のポイントは、策定した計画の妥当性がきちんと評価できるかどうかだ。タスクの精度が過去の類似のプロジェクトと比べて低くないかや、リスクが高くないかの評価機能が求められる。そのためにはプロジェクト管理モジュールに、標準的なタスクを定義する機能も必要になる。また会議などの定常的なタスクと、突発的な対応が必要になる非定常タスクの割合をきちんと管理し、それぞれに対して余裕を持った計画になっているかをチェックできる機能もリソース管理では役立つ。
「作業実績登録」機能では、プロジェクトの進捗を定量的に可視化できることが必須だ。可視化の前提は実績が正しく入力されること。そのためには現場スタッフが不正確な情報を入力していないかどうかをチェックできる機能が求められる。例えば証跡資料のサンプルチェックや定期的な監査を行える機能だ。また、現場スタッフが計画自体を修正してしまうことを避けるために、策定した計画を保護する機能も必須といえるだろう。
「報告書作成/対策実施」機能についても同様に、作成した報告書が改ざんされないような保護機能が必要になる。また、入力された情報から自動的に適切な報告書が策定されるような機能もあると便利だ。マネジャーや経営層が求める情報をその都度、出力できる機能も注目される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
社会の急速なデジタル化を受け、DXプロジェクトに注力してきたNTTデータグループ。その中核となったのがSaaSによる巨大な基幹システムの開発だ。3年余りの期間を経て稼働を開始したシステムはどのような狙いで開発されたのか。
CXとEXの双方の高度化を実現すべく変革に挑み続けるNTTグループ。「自らのDX」を進める第一弾としてグループ社員17万人が利用する決裁システムを刷新し、大きな成果を挙げている。同社の取り組みを詳しく紹介する。
B2BのSaaS取引において、口座振替を導入する企業が増えてきたが、口座振替の導入/運用においては、さまざまな課題が発生する。本資料では課題の中身を確認した上で、その課題を解消する企業間決済サービスを紹介する。
サプライチェーンは市場の大きな変化と、自社IT環境における山積する課題に直面している。本資料ではその背景を考察しつつ、AIを活用したアプローチで、サプライチェーン変革を成功に導くデータインサイト実現の方法を解説する。
企業の税務部門は、増大する業務量や表計算ソフトの利用による非効率性に直面している。これらは経営・運営・業務などに影響を及ぼし、組織全体のパフォーマンスを低下させる要因となる。そこで注目したいのが、税務業務の自動化だ。
ERPからあぶれたスキマ作業をどうする? RPAやBIでは解決できない理由 (2025/4/4)
マンガで解説:紙と「Excel」の販売管理から卒業したい 実現しやすい方法は? (2025/4/2)
制度変更で取引先が数千件増える? 3カ月でシステム構築できた事例 (2025/3/25)
人事管理システムの選び方 失敗しないポイントは? (2024/9/18)
人材開発って何? 人材育成との違いは? 効果的な方法を知る (2024/9/18)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...
「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。