主要なクラウドインフラサービスは、2013年を経て、ようやく既存システムをクラウドに載せる体制が整ってきたようだ。2014年のクラウド市場にはどのような変化が起こるのか。IDC Japanの松本 聡氏に聞いた。
「2013年は、企業ユーザーがクラウドを本格的に利用する環境が整った年となった」――IDC JapanのITサービス リサーチ マネージャーの松本 聡氏は2013年のクラウド市場をこう分析する。
IT専門の調査会社であるIDC Japanでは、「国内クラウド市場 ユーザー動向調査」を毎年発表している。2013年に行ったこの調査の中で明確になったのは、2013年、クラウドサービス事業者やソフトウェアベンダーが、ユーザー企業にとってクラウドの利用がしやすい環境を整え、その結果、本格的にクラウド利用を検討するユーザー企業が増加しているという事実だ。
こうした動きを踏まえて、2014年のクラウド市場はどう変化していくのだろうか。
「国内クラウド市場 ユーザー動向調査」は、IDC Japanが年に一度実施するユーザーサーベイで、企業のクラウド利用実態を調査したものだ。
この調査の2013年の結果が興味深い。2011年の調査以来、「既にクラウドを利用中」と回答した企業の割合は、2011年の13.8%、2012年の19.1%、2013年の21.1%と着実に上昇している。「利用を前提に検討中」と回答した企業の割合はほぼ横ばいなのに対し、「検討したが利用しないことに決定」と回答した企業は2011年には6.8%だったが、2012年には26.5%と大幅に上昇。それが2013年になると一転して7.8%と大きく減少している。この変化の要因はどこにあるのか。
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