「iPhone」より速く普及の可能性
大胆に未来予測、「モノのインターネット」で過ごす優雅な1日
「モノのインターネット」は一時的な流行ではなく、企業のビジネスを大きく変える可能性を持つ。IoTが普及した社会ではどのような生活を送ることができ、何が課題になるのだろうか。
「モノのインターネット」(Internet of Things、以下“IoT”)は、モノ、動物、人間がワイヤレスネットワークで接続されている世界を表す言葉だ。これには機械の間で行われる通信やウェアラブルデバイスも含まれる。IoTが現実のものに近づくにつれて、IT管理者には気掛かりなことが出てくる。「IoTは一時的な現象なのか」「ビジネスにはどのように応用できるのか」「エンタープライズ環境でIoTはどのような役割を果たすか」といったものだ。
IoTは一時的な現象ではない。それどころか、米Appleの「iPhone」や米Googleの「Android」よりも速い速度で企業に浸透する可能性がある。現在、IoTの開発に必要なテクノロジーの大半は利用できるようになっている。一般消費者市場で生まれている新しいIoTのアイデアからエンタープライズ環境における可能性が見て取れる。米FitBitの製品ラインや韓国Samsungの「GALAXY Gear」などのウェアラブルデバイスは企業での活路を見いだしている。
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典型的な未来の1日
これらのウェアラブルデバイスは、従業員が健康維持に関心を示す動機を与え、従業員の医療費削減手段として活用できる。また「接続に関する標準」を策定するベンダーの連盟も設立されている。この標準は、IoTの世界を構成するアプリケーションやデバイスの開発者に指針を提供することを目的としたものだ。
IoTが現実のものとなった典型的な未来の1日を想像してみよう。交通渋滞が発生しているため、別のルートを使うことを推奨する情報を車が発信することから1日が始まるかもしれない。この情報により、会社のカフェテリアで注文している朝食が準備される時間を遅らせて、推定通勤時間に基づいて朝食が準備されるようにすることができる。この情報は当日に予定しているミーティングの時間を変更して関係者に連絡するのにも使える。それから、車に搭載されているセンサーにより従業員専用の入り口を通過することもできる。ミーティングが行われる建物の近くにある専用の駐車スペースがあなたのために確保されている。この例は全て職場に到着する前の段階でIoTによって実現される利便性だ。今度はIoTがビジネスにもたらす利便性を考えてみよう。
IoTはエンタープライズ環境で使用できる段階に達しているのだろうか。ネットワークとセキュリティを管理しているIT管理者と話をすると、必ずといってよいほど企業のデータ保護が話題に上る。IoTではデータは一般的な脅威だ。というのも、IoTのデバイスではデータを送信または利用しているからだ。相互に接続された世界では、このデータを理解/格納/管理するために、さらに大きなストレージが必要になる可能性が極めて高い。データは機械とユーザーの間または機械と機械の間を行き来する必要がある。この通信には何らかのインターネット接続が関与する。だが、全てのデバイスの電源が常時入っているわけではない。少量の電力しか供給できないデバイスもあるだろう。そのためデータのキャプチャーが困難になることは十分にあり得る。
モバイル管理はIoTにどう対処すべきか
エンタープライズモビリティマネジメント(EMM)ベンダーは、IoTの流入にすぐには対応できない可能性がある。EMMベンダーはスマートフォンやタブレットなどのエンドポイントデバイス向けのツールを開発することには慣れている。通常、このようなデバイスでは、デバイスのセキュリティを確保するためにクライアントアプリをインストールする。また、米Appleの「iOS 7」や米Googleの「Android 4.4 KitKat」などの新しいOSの最新リリースが提供されるタイミングは遅れることが多い。そのため、デバイスのセキュリティを確保するのに必要な時間が長くなる。また、IoTのデバイスにはセキュリティを確保するためのクライアントのインストールすらできない可能性がある。さらには、他のデバイスへの接続に使用しているのと同じインターネットプロトコルを使用できない可能性もある。
恐らく、エンタープライズ環境では、データのセキュリティを確保するために、まずIoTデバイスを運用する専用のプラットフォームを導入することになるだろう。この新しいプラットフォームで運用しているIoTのデバイスが会社のリソースに接続する必要が生じたとき、事態は複雑になるだろう。
IoTの世界は、もうそこまで来ている。IoTが刺激的なチャンスと課題の両方をもたらすことは間違いない。エンタープライズ環境は、この新しいチャンスを活用すると同時に、従業員が各自で解決策を模索せざるを得ない状況を回避する必要がある。
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