VDIとDaaSの利点を比較
次のPC導入できっと問われる「PCは仮想化で使う? それともクラウド?」(1/2 ページ)
VDIとDaaSは、どちらかではなく両方を選択するケースもある。どの配信モデルにもメリットがあり、適しているユースケースも異なる。ただし、両方をサポートする作業は複雑だ。
クラウドコンピューティングは、ソフトウェア、ITインフラ、アプリケーション開発に変化をもたらしている。次のターゲットは、デスクトップコンピューティング市場だ。
DaaS(Desktop as a Service)では、デスクトップOSをクラウド環境にホストし、OSをユーザーの端末にストリーミング配信する。このモデルがIT部門にとって有用なのは、インフラの保守作業と管理作業に掛かる負担の軽減、コストの削減、柔軟性の向上、デスクトップのプロビジョニングの簡略化を実現できるからである。
VDI(デスクトップ仮想化インフラ)を実装している企業にとって、DaaSの手法は非常に合理性が高い。DaaSによって、コストの柔軟性、スケーラビリティ、管理など、さらに多くのメリットを享受できるからだ。また、仮想デスクトップを実装している場合、エンドユーザーはホスト型デスクトップへのアクセスに慣れ親しんでいるだろう。
VDIは、デスクトップOSをユーザーが所有する端末のハードウェアから抽象化し、IT部門による管理作業を一元化する。さらに、自動化とパッチの一括適用/更新によって、デスクトップのプロビジョニングを簡略化する。DaaSは、IT部門の負担をさらに軽減する。仮想デスクトップを運用している企業にとって魅力的だと思われるDaaSの主なメリットを以下に紹介する。
コストの柔軟性
DaaSでは従量課金モデルが採用されているので、企業はサポートするホスト型デスクトップの台数を細かく制御できる。IT部門は、ユーザーのニーズに基づいてデスクトップを削除および追加できるので、従業員数の変化に対応し、資金の無駄を削減することが可能になる。DaaSを追加設定なしで利用した場合、VDIより低価格で済む場合はあるが、DaaSの価格と総所有コストは多くの要因に左右される。その要因とは、端末からユーザーが仮想デスクトップで必要とするストレージやメディアの種類に至るまで多岐にわたる。そのため、定評のあるDaaSプロバイダー間でも、価格設定は大きく異なる。
スケーラビリティ
VDI環境を拡張する際は、オンプレミスの処理能力による制限を受けるので、IT部門はピーク時の使用量を把握していなければならない。一方、DaaSを使用した場合、処理能力の問題にはクラウドサービスプロバイダーが対処する。そのため、必要に応じて簡単に新しいデスクトップを追加したり、従業員の退職時にデスクトップのプロビジョニングを解除したりすることができる。
管理の簡略化
一部のDaaSサービスでは、サービスプロバイダーがデスクトップのパッチ適用や更新などの日常的な管理作業を担当する。バックエンドインフラ管理の大部分もプロバイダーが引き受ける。ホストサーバ、ストレージ、ネットワーク接続の保守はプロバイダーが行うので、IT部門はこれらの作業から解放される。
DaaSをVDIに追加する理由
このようなメリットがあるにもかかわらず、全てのデスクトップをクラウドに移行することを望まない企業は存在するだろう。多くの場合、クラウドデスクトップは、特定のユーザー群に対して、または特定のアプリケーションについてのみ提供するのが理にかなっている。例えば、請負業者や出張中の従業員に、短期間だけクラウドデスクトップを提供しなければならない場合だ。また、一部の特殊なアプリケーションは、ホスト型サービスプロバイダーの接続を経由した方が、適切に動作する場合がある。このようなアプリケーションを保有している場合、DaaSを活用できる可能性が最も高いのは、このアプリケーションを使用する従業員だろう。
事実、一部の業界のベンダーは、DaaSホスト型アプリケーションをオンプレミス版のアプリケーションよりも安価で提供している。そう語るのは、米Envision Technology Advisorsで最高技術責任者(CTO)を務めるジェフ・ウィルヘルム氏だ。
「法律事務所や会計事務所が大部分の基幹業務アプリケーションにVDIを適用する事例は過去にもあった。このような状況でも、安価であることが分かれば、特定のアプリケーションにベンダーが提供するDaaSを使用するようになるだろう」(ウィルヘルム氏)
DaaSがVDIの機能を補完するもう1つの状況は、クラウドバースティングだ。この場合、DaaSのクラウドホスト型デスクトップを必要に応じて使用できる。この手法を使用すると、プライベートクラウドやデータセンターでデスクトップまたはアプリケーションをホストし、オンプレミス版アプリケーションの使用量が上限に達したときに、パブリッククラウドで追加インスタンスをスピンアップできる。クラウドサービスプロバイダーが提供する大部分のクラウドバースティング機能は、まだ完全には自動化されていない。そのため、IT部門は、依然として手動でクラウドホスト型デスクトップまたはアプリケーションのプロビジョニングを行う必要がある。
VDIを導入した企業がクラウドホスト型デスクトップを追加する理由としてもう1つ考えられるのは、災害復旧(DR)だ。通常、DRサイトとして使用されるのは、別の場所に複製されたデータセンターである。だが、DaaSの導入によって、事前構成済みのクラウドホスト型デスクトップを非常時に備えて確保することができる。古いバージョンのハードウェアを使用することも、IT部門が手動でクラウドホスト型デスクトップを更新したり、それらにパッチを適用したりする必要もない。このような保守作業はサービスプロバイダーが行う。災害が発生した場合、IT部門はクラウド環境で待機しているDaaSインスタンスをスピンアップさせればよい。このようにDaaSを使用すると、災害から復旧するまでの間も、ユーザーはミッションクリティカルなアプリケーションにアクセス可能になる。
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