クラウドネイティブな開発を可能に
理想的な「クラウドで開発/テスト、オンプレミスで本番運用」をどう実現する?(1/2 ページ)
開発/テスト環境をパブリッククラウドで構築し、本番アプリケーションをオンプレミスで運用する――こうしたクラウドネイティブな開発を可能にする、ツールやサービスを紹介する。
あなたの会社が近い将来、オンプレミスのアプリケーションをクラウドに移行しなくても、クラウドベースの開発環境のメリットは享受できる。多くの企業がハイブリッドクラウドのアプローチを取り、開発およびテスト環境をパブリッククラウドで運用し、本番アプリケーションをオンプレミスで運用している。
今では多くのクラウドプロバイダーからさまざまなツールが提供されており、オンデマンドでインフラを立ち上げ、コードをデプロイし、アプリケーションに対して一連のテストをし、本番稼働に対応できることを確認するのは、従来と比べて容易になっている。
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クラウドベースの開発/テストのメリット
1台のサーバで動作するシンプルなアプリケーションでも、複雑なテスト環境が必要となる高度な多層アプリケーションでも、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)のようなクラウドコンピューティングプラットフォームは、開発プロセスを大幅にスピードアップさせる。
パブリッククラウドプロバイダーは、仮想マシン(VM)のスピンアップ(起動)を容易にしている。1回のAPI呼び出しでVMがプロビジョニングされ、開発者やテストエンジニアはそれをデプロイし、アプリケーションを一連のテストで検証する。ただし、そのように簡単に事が運ぶのは、シンプルなアプリケーションの場合に限られる。当然のことながら、アプリケーションはシンプルなものばかりではない。
一部の業務アプリケーションは、実際の稼働を想定した適切なテストをするために、オンプレミスの本番環境を模した、さまざまなサポートインフラを必要とする。アプリケーションチーム(開発者とIT運用担当者)がレイテンシなどの挙動をより正確に予測できるように、本番環境に最も近い仕様の環境で、アプリケーションの実際のパフォーマンスを把握する必要があるからだ。
AWSやAzureのような成熟したプラットフォームは、JSONベースの宣言型のテンプレートを使って、カスタムネットワーク、ストレージ、VMなどを持つ複雑なインフラ環境の自動化を支援する。そのおかげで、運用チームはクラウドにおいてほんの数分で、オンプレミス本番環境の完全に構成されたレプリカを作成できる。この手法は「Infrastructure as Code」として知られており、その支援サービスとしてAWSでは「CloudFormation」、Azureでは「Azure Resource Manager」テンプレートが提供されている。
また、データセンターマネジャーは開発およびテストチームにリソースを割り当てる際、常にハードウェアの制約に直面する。テスト環境のハードウェア仕様は、本番環境にデプロイするハードウェアの仕様と同様でなければならないからだ。さらに、そうした物理システムは稼働を継続させなければならない。ハードウェアと周辺コンポーネントが故障すると、運用チームがそのコンポーネントを交換するか、修理するまで、コードをテストするプロセスが遅れてしまう。だが、クラウドベースの開発環境では、物理ハードウェアは抽象化されており、メンテナンス作業は発生しない。開発者は選択したクラウドプラットフォームで、仮想サーバを必要な台数だけ立ち上げることができる。
これに対し、開発およびテストワークロードを実行できるように物理マシンを維持すれば、アイドル状態のときもコストが掛かり、IT部門がそれを負担することになる。物理的なマシンは、データセンターのフロアスペースを占有し、恐らく使われていないときも電力を消費する。だがクラウドでは、ユーザーは使った分だけ費用を支払う。オンデマンドで環境を構築、破棄できるので、企業は必要なときに必要なだけリソースを利用でき、料金は利用した分しか掛からない。
多くの継続的インテグレーションツールやアプリケーションライフサイクル管理ツールは、クラウドプラットフォームや自社所有サーバと統合されている。Amazon Web Services(Amazon)やMicrosoftのようなプロバイダーは、オンプレミスサーバおよびクラウドベースサーバと連係し、開発から本番への移行を容易にするDevOpsツールスイートを提供している。
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