デジタル時代のERP再考(5)
Walt Disney Worldが実践、カスタマーエクスペリエンス向上におけるERPの役割とは?(1/2 ページ)
常に変化し複雑化する生活者の要求に応えるために、カスタマーエクスペリエンスの向上が求められている。その中でERPシステムはどのような役割を果たすのだろうか。
「カスタマーエクスペリエンス」主導のビジネスへ
モノやサービスが成熟してコモディティ化が進むと、機能や性能だけでは他社との差別化が難しくなる。こうした中、モノやサービスを利用したときに得られる「エクスペリエンス」(体験)を重視する動きが広がっている。
顧客は良質なエクスペリエンスを得た場合、それを共有するために、自発的にソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で投稿、拡散する。一方、期待外れのエクスペリエンスに対しては、いとも簡単に突き放してしまう。顧客と継続的に関係を維持するためには顧客が欲するエクスペリエンスを提供し続ける必要がある。そのためには、顧客に対して、欲しいタイミングで欲しいモノを提供することが重要だ。
併せて読みたいお薦め記事
デジタル時代のERP再考
- 第1回:情報技術の“ルネサンス期”、ERPの在り方とは?
- 第2回:インメモリやクラウドが経営を変える ERPの「リアルタイム経営」が生み出す新たな価値
- 第3回(前半):あなたの身近にもある、IoT活用の変革事例
- 第3回(後半):IoTで変わるビジネス、求められる未来のERPの形とは
- 第4回:マルチデバイス対応だけでは不十分、デジタル時代にあるべきERPの形
今後求められるERPの形
「カスタマーエクスペリエンス」を理解するためには
ほとんどの企業にとって、生活者や顧客が望むエクスペリエンス、つまり「カスタマーエクスペリエンス」を理解した上で、モノやサービス、ブランドなどを形にしていくことは、重要な経営課題の1つとなっている。
カスタマーエクスペリエンスへの取り組みを始めるに当たって、デザインの手法やツールを用いて、アイデアや施策を定義する必要がある。その代表的な手法として「デザインコンサルティング」と「カスタマージャーニーマップ」が挙げられる。
カスタマーエクスペリエンスの取り組みを考えるとき、デザイナーの発想法を応用し、新しい製品やサービスを創造する「デザイン思考」が重要だ。具体的には、生活者の行動を観察し、どんな行動をしたり考え方をしたりするのか、それぞれの行動においてどんな感情を示すのかを分析、理解してアイデアを発想する。
そしてコンサルティングの分析、整理法を活用し、アイデアからサービスのコンセプトやビジネスモデルなどを定義して整理をしていく。サービスのコンセプトは、プロトタイプ作成やユーザーテストを実施して検証し、ビジネスモデルはビジネスとテクノロジーの両面で実現の可能性を検証する。
検証結果に基づいて再度現状を分析し、アイデアの発想と検証を繰り返す。その後、サービスコンセプトやビジネスモデルなどをブラッシュアップし、ビジネスモデルのロードマップや、実行計画を定義していくのである。このように「デザイン思考」と「コンサルティング」の両方を掛け合わせた「デザインコンサルティング」の手法を用いることで、実現可能な顧客中心のエクスペリエンスと実現に向けたステップを描くことができるのである(図1)。
カスタマージャーニーマップは、まず仮想顧客である「ペルソナ」を下記の手法を用いて定義する。
- 顧客インタビュー
- 顧客アンケート
- 営業や顧客サポートなど自社の顧客対応部門へのヒアリング
- 自社で所有している顧客プロファイルや行動データなどの分析
そしてペルソナが製品やサービスを利用するストーリーを考え、そのペルソナの行動や感情、価値を可視化していく。ペルソナが不満や不便さを感じる「ペインポイント」を理解し、解消するためのサービスや機能を定義する(図2)。
これらの手法を活用することで、生活者や顧客が求めるエクスペリエンスを可視化し、実行すべき施策を整理することができる。
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