CTOたちが予測する“混迷”の2017年ストレージ市場(前編)
「顧客は既に気付き始めている」 ハイバーコンバージドの次を考える(1/2 ページ)
エンタープライズストレージベンダーの最高技術責任者(CTO)たちが2017年の技術動向を予測。彼らの見通しでは“幅広い分野”で混乱が広がるという。
2017年以降、エンタープライズストレージ市場は混乱の度を深めている。
エンタープライズストレージの大手ベンダーに所属する最高技術責任者(CTO)とリーダー的立場の技術者たちは、2017年以降、業界と関連技術の変化についてどのような見解を持っているだろうか。
彼らの見通しをまとめると、クラウド、サーバベースのストレージ、ハイパーコンバージド/コンバージドインフラにシフトし、リアルタイムのアプリケーション、コンテナ、データ分析など、多くの分野で新しい技術が台頭するようになると予測している。
このような変化の中で、既存の大手ベンダーは、激動のエンタープライズストレージ市場で競争力を高めるための戦略転換を迫られることになるだろう。
この記事では2回にわたり、この業界で2017年に大きく変化しその動向に注意すべき項目ごとに、大手ベンダーのCTOと技術者の見解を紹介する。なお、ここで紹介する内容は、発言者の個人的な考えであり、所属する組織の公式な意見ではない。
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「できるCTO」になるために必要なこと
エンタープライズストレージ市場
フウ・ヨシダ氏(Hitachi Data Systems、CTO) エンタープライズストレージ業界では、企業の買収や再編など、これまでの“秩序”を大きく変える出来事が多く起こるだろう。企業が成功するには、高機能アプリケーション、クラウド、IoT(モノのインターネット)を今以上に重視しなければならない。ストレージのことだけを考えていると、廃業に追い込まれるだろう。現にHDD事業では同じことが起こっている。全てがクラウドにあるわけではない。だが、その兆候は既に見えており、そうなるのも時間の問題だろう。
2017年はターニングポイントだ。ストレージベンダーは、そこに向けて体勢を整えようとしている。注力すべきは筐体を作ることではなく、筐体に可能性をもたらすことだ。Hitachi Data Systemsでは、インタフェース経由でパブリッククラウドとプライベートクラウドに接続できるコンバージドソリューションに筐体を統合することで、それを実現している。
ダニエル・コッブ氏(Dell EMC、グローバルテクノロジー戦略部門、バイスプレジデント) ストレージでは、物事が絶えずリアルタイムで進んでいる。コンピューティング、ネットワーク、メモリ、ストレージを新たな比率で組み合わせる今までにないアーキテクチャが、リアルタイムインフラの迅速な普及を後押しするだろう。
リアルタイムインフラは、従来使用されてきたトランザクション処理インフラとは根本的に異なる。データをコンピューティングに近づけるというよりは、コンピューティングをデータに近づけるという大きな変革が起こるだろう。遅延が非常に少ないフラッシュストレージに複数のリアルタイムなデータフィードを統合することで、リアルタイムのワークロードを実現するようになっている。だが、これはほんの始まりにすぎない。
リアルタイムのワークロードは、特に25/50/100GビットイーサネットとRoCE(RDMA over Converged Ethernet)の導入などのネットワークスタックの急速な発展、そして最終的にはマルチコアと大きなメモリフットプリントを活用できるホストシステムの後押しを受ける。一部の顧客にとって、これらは独自のソリューションを実現するために組み合わせる3つの異なるエコシステムとなる場合もあるだろう。それ以外の顧客にとっては、顧客とリアルタイムのやりとりとリアルタイムの洞察システムに関するワークロードについてのやりとりを向上する単体の統合アーキテクチャになるかもしれない。これは、ハイパーコンバージドアーキテクチャの変化形といえる。
ソフトウェア開発者は、インメモリパラダイムを中心としてリアルタイムのアプリケーションを設計するようになる。その結果、メモリは突如としてストレージプラットフォームと共に育まれてきた多くの価値や原則を取り込む必要に迫られるだろう。不揮発性、保護、堅牢性、復元性、管理しやすさ、セキュリティなど、かつては外部ストレージアレイに投げ掛ける必要のあった要素を保証することが、メモリプラットフォームの要件になるという予想もある。また、将来は、その要素を外部メモリアレイに投げ掛けているかもしれない。もしくは、サーバ内蔵のソフトウェア定義ストレージスタックの構成要素となるかもしれない。
クリストス・カラマノリス氏(VMware、ストレージおよび可用性ビジネス部門、CTO) 2017年には、ストレージがより包括的で簡略化されたIT運用モデルにおいて欠かせない要素になるだろう。そして、ストレージは、ITインフラから分離した領域ではなくなり、ゼネラリストのIT担当者がITインフラ全体を管理するエンドツーエンドのITモデルの一部となることが予想される。そのようなインフラは、プライベートデータセンターに加え、IaaS(Infrastructure as a Service)を提供するパブリッククラウドの両方に及ぶかもしれない。目的は、企業のIT運用を大幅に簡略化して、パブリッククラウドの運用効率にできるだけ近づけることだ。
ジェイ・メッツ氏(Cisco Systems、CTOオフィスのストレージネットワークとソリューションを担当する研究開発エンジニア) ストレージソリューションでは、さまざまなテクノロジーが融合していることが非常に多い。ストレージのボトルネックを排除すると、ネットワークと高パフォーマンスのストレージがより近づくことになる。ストレージは、高帯域幅のネットワークソリューションにとって最も重要な要素になるだろう。
これは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ間の関係が一定で、特定の種類の導入に役立つ利用事例に合わせて調整されているハイパーコンバージェンスとは異なる。ストレージ、ネットワーク、コンピューティングが相互に接続されていることは、打破すべき障害になるだろう。ネットワークやストレージのようなテクノロジーをバンドルすることが予想される。このようなバンドルは、独立したコンポーネントとしてシステム内で扱われる。
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