仮想化は、企業がサーバリソースやストレージリソースを導入する方法を変えている。だが少なくとも今のところ、仮想化の効果はネットワークまで及んでいない。その結果ハイブリッドクラウド環境では、企業がプライベートクラウドとパブリッククラウドの間でワークロードを結び付け、オーケストレーションする必要があるため、ネットワークのボトルネックが課題として残る。
業務ではマウスを数回クリックするだけでクラウドインフラを導入することが望まれており、仮想化にはこの能力が期待されている。他の仮想化テクノロジーと同様、SDN(ソフトウェア定義のネットワーク)はシステムのソフトウェアとネットワークハードウェアを分離することで、ネットワーク環境を単純にする可能性はある。SDNによって、ソフトウェアのコントロールパネルと転送用ハードウェアノード(ルーターやスイッチなど)が切り離される。そのため、高価なものが多いベンダーの専用デバイスではなく、市販のルーターを使えるようになる。
だが、こうしたメリットがあるとしても、SDNはハイブリッドクラウドネットワークの問題の特効薬にはまだなっていない。
「SDNは『Still Doing Nothing』(依然として何の役にも立たない)の略ではないかと思えるほど役に立っていない」とZK Researchの主席アナリスト、ゼウス・カレワラ氏は語る。仮想ネットワーク接続の複雑さ、総合的なSDNエコシステムの不足、不完全な管理ツールが原因で、SDNの導入は遅々として進まない。
理論上、SDNによって、柔軟性とアジリティに優れたネットワークデバイスを構成できる。以前のアプリケーションは、特定の通信回線と密接に関係し、緊密に接続されていた。SDNアーキテクチャでは、管理者が必要に応じて簡単に新しいネットワーク接続を作成できる。だが、これだけでは、SDNはハイブリッドクラウドやそのネットワークボトルネックの現状に対する期待に応えたことにはならない。
以前であれば、古いネットワークシステムを新しいものに取り換えなければならなかった。しかしSDNでは、物理ネットワーク接続を変えずに、その上位に仮想化レイヤーが適用される。つまり事実上、1つではなく2つのネットワークを管理することになる。構成が合理化されるどころか、この設計では管理の複雑さが増すことになる。
さらにサーバやストレージの仮想化は比較的容易に導入されてきた。それは、サーバやストレージが通常データセンター内に設置されるためだ。だがネットワークデバイスはデータセンターから複数のエンドポイントまで大きく広がり、構成が必要なデバイスの数は多くなる。その上、企業がパブリッククラウドやハイブリッドクラウドを導入するにつれ、こうしたエンドポイントの数が増えていく。
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