「3D XPoint」アーキテクチャを採用した「Intel Optaneメモリ」が市場に投入された今、高速メモリの未来は明るいように見える。だがOptaneメモリは、これまでにIntelが主張してきた通りの製品に仕上がっているのだろうか。
Intelが「3D XPoint」をベースとする「Intel Optaneメモリ」(以下、Optaneメモリ)を発表したとき、「フラッシュメモリの1000倍の性能」を掲げた。3D Xpointは、「フラッシュメモリの1000倍の耐用年数」「DRAMの10倍の密度」「速度と永続性を維持しながらDRAMを効果的に拡張する、新しいメモリの階層を実現する方法」といった、書き込みの耐久性に関する問題に終止符を打つ技術と位置付けられていた。
この大部分は現実になっている。そして少なくとも短期的には、一部の主張については強化がなされている。Intelと同社のパートナーであるMicronによる最近の発表では、期待される速度がフラッシュの4倍と大幅な下方修正がなされた。大幅な高速化であることに変わりはないが、当初の主張からは程遠いのが実情だ。
これはOptaneメモリが現状のシステム設計によって打撃を受けたことに起因する。3D XPointは、セルが高抵抗から低抵抗状態へと電子的に切り替えられる相変化メモリ(PCM)技術である。なお3D XPointは、Intelでは「Optane」、Micronでは「QuantX」のブランドで販売する。どちらの製品でも、ストレージ向けに同じコアダイが使用されており、これは米国にあるIntelとMicronの共同出資会社の設備で製造されたものだ。
元来PCMは、セルにNORアドレス方式を使用したバイトアドレス指定可能なストレージシステムである。バイトアドレス指定可能であることは、単純な理由からストレージの聖杯となっている。それはバイトアドレス指定可能によって、何千ものCPU命令を使い果たす従来のファイルI/O処理が削減され、4KBというブロックの最小サイズ制限を取り除いて、レジスタからメモリに直接書き込む単一のCPU命令に置き換えられるからだ。Intelがこのアプローチを実現できていたら、フラッシュメモリの1000倍の性能も夢ではなかっただろう。
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