いきなり「世界の終わり」にはならない
モバイルやクラウドをいつでも利用できる状態を維持する「インテグリティー」とは?
事業継続性を確保するにはモバイルデータへのアクセシビリティーが極めて重要だ。近年、クラウドコンピューティングが企業に浸透したことで、これが現実的に可能となった。
企業のモバイル活用やクラウドコンピューティングの登場が、運用の完全性(operational integrity)や事業継続性の劇的な向上を実現した。
今日、システム運用管理製品/サービスの大半はモバイルデバイスに対しても提供されており、事業継続計画(BCP)を成功させる上で重要な要素である。デバイスの紛失または故障さえ防止すれば、ユーザーはいつでも必要なアプリケーションを使える。ユーザーはしばしば複数のデバイスを所有しており、デバイスのいずれか1台を紛失してしまった場合、不便ではあるが“世界の終わり”のような状態にはならずに済む。仕事場が物理的なダメージを受けた場合でも問題にならない。なぜなら、ワイヤレス接続環境のある場所ならどこでも、その場所が間に合わせのオフィスとなり得るからだ。
鍵となるモバイルデータへのアクセス
情報セキュリティは永遠の課題だ。しかし、ほとんど注目されていないがセキュリティと同じくらい重要なITの要素がある。それはインテグリティー(完全性)だ。インテグリティーは施設やデバイスに故障が発生したり、物理的ダメージを受けたりした場合でもITのコンポーネントまたは機能を必要に応じて利用できる状態を維持する機能のことだ。例えば、データセンターが全焼したと仮定してほしい。冗長施設がなければ、データセンターが誰の所有物であれ、廃業に追い込まれる可能性がある。企業はそのミッションや規模にかかわらず、このようなリスクを負うことはできない。
しかし、さらに大きな問題は、今日のモバイル運用の中枢である、共有データおよびアプリケーションへのアクセスを保証するBCPの策定だ。大抵のモバイルデバイスには、通常、ユーザーが必要とするデータを全て保管するだけの十分な容量がない。また、共同作業の実施が一般的になっており、モバイルデータへのアクセスを維持する戦略が常に必要とされている。
この目的を達するため、可能な限りクラウドベースのサービスへ移行してほしい。クラウドサービスプロバイダーはとある1台のデバイス管理に起因する失敗を避ける重要性を理解している。しかし、火災や災害はどこでも起こり得るため、全ての提案依頼に信頼性や回復力の高い要件を追加することによって、実際にプロバイダーが信頼性や回復力の高いインフラストラクチャを運用していることを確認してほしい。
BCPの先へ
クラウドサービスは非常に信頼性が高いため、エンタープライズモビリティー管理(EMM)を含む管理サービスをクラウドに置くことができ、認証されたデバイスからいつでもどこからでもモバイルデータにアクセスできる。ユーザーが必要とするアプリケーションやデータをクラウドに置くことでスケーラビリティの問題も低減できる。
企業のモバイル活用の分野が成長してきたことを考慮すると、最小限のITインフラストラクチャ(例えば、ネットワークのアクセスポイントやイーサネットスイッチ、ルーター、セキュリティ機器など)のみがオンプレミスに残ることになるだろう。他のものは全てクラウドまたはエンドポイントデバイスに置かれることになる。オンプレミスに残る機器は、企業のBCPに対応する高度なフォールトトレラントシステムとなるだろう。
この転換は、企業のITがこれまでと違いモバイル中心になったことで初めて実現した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
1200万円のSaaS導入を回避 スギ薬局「運用費10万円」のAIエージェント構築術
-
2
「完璧な設計」なのに3000万円溶けた AWSの失敗事例から学ぶ3つの教訓
-
3
クラウド資格コレクターは評価されない? 年収1000万を分ける“OSの理解度”
-
4
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
5
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
6
高額な「AI PC」を一般従業員も使えたら? 費用のハードルを一気に下げる方法
-
7
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
8
「コピペ運用の限界」に直面するAI活用 7割超が“別画面”のまま使う理由は?
-
9
IT調達担当者が知るべき「IT機器 大インフレ時代の前向きな選択肢」
-
10
「RAGの利用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
4
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
5
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
6
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
-
9
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
10
NTTドコモが実践したクラウド統合監視 業務量2倍でも残業削減を実現できた理由
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー