適切なデバイス選定の参考に
「iPhone」「iPad」だけじゃない、仕事で使える主要9社のスマホ/タブレットを比較(1/2 ページ)
タブレットとスマートフォンを法人向けに販売する主要ベンダー9社の主力製品を紹介する。各社の製品は多様であり、業務にどこまで役立つかは、まちまちだ。
企業が業務用モバイルデバイスとして活用できるスマートフォンとタブレットの選択肢は何百とあり、サイズや機能、性能はさまざまだ。こうした選択肢の多さは買い手にとって恩恵となり得る。だが多数の選択肢があることで、かえって最適なデバイス選びが難しくなる可能性もある。
本稿では、スマートフォンとタブレットの両方を販売する主要ベンダー9社の主力製品を紹介する。業務利用への対応度は製品によってまちまちだ。
併せて読みたいお薦め記事
モバイルデバイスの選び方
- iPadの「iOS」か、Surfaceの「Windows 10」か OSで選ぶ最高のタブレット対決
- 「iPhone」と「Android」スマホを比較するなら「機種」「OS」にまず注目すべし
- 「Huawei Mate 10」「Mate 10 Pro」で分かったユーザーが“最強スマホ”に求めるスペック
変化するモバイルデバイスへの意識
Apple
モバイルデバイスの業務利用の推進という点で、Appleは他ベンダーと比べて善戦している。Appleは現在、「iPhone」シリーズのスマートフォンと、「iPad」シリーズのタブレットを販売する。
Appleの最新スマートフォン「iPhone X」は、ほぼベゼル(額縁)レスのデザインを採用し、有機ELを利用した5.8型の「Super Retina HDディスプレイ」を搭載する。解像度は2436×1125ピクセル。ホームボタンを廃止し、従来の指紋認証機能「Touch ID」に代わる新しい生体認証システムとして、顔認証機能「Face ID」を搭載する。Appleの高性能SoC(統合プロセッサ)「A11 Bionic」を搭載し、ストレージ容量は最大256GB。背面にはガラス素材を採用した。ワイヤレス充電の利用も可能だ。
iPadシリーズで特に企業からの人気が高いのは「iPad Pro」シリーズだ。12.9型の「Retinaディスプレイ」を搭載する「12.9インチiPad Pro」は、解像度が2732×2048ピクセル。新テクノロジー「ProMotionテクノロジー」によってタッチ操作の反応を向上させた他、iPad Pro用のスタイラスペン「Apple Pencil」(別売)を利用できる。12.9インチiPad Proは、SoC「A10X Fusion」、最大512GBのストレージを搭載し、バッテリー持続時間は平均で10時間程度だ。
iPhoneシリーズやiPadシリーズは全て、AppleのモバイルOS「iOS」を搭載する。iOSはモバイルデバイス管理(MDM)機能を備え、エンタープライズモビリティー管理(EMM)製品を使ったデバイス管理を可能にしている。他にもAppleは、大小さまざまな規模の企業に向けたサービスを各種提供している。ただしApple製品は価格が比較的高めなので、小規模企業やスタートアップ企業にとっては、手が届かない可能性がある。
たとえそうであっても、Appleはあらゆる規模の法人向けに導入支援プログラム「Device Enrollment Program」(DEP)やボリュームディスカウントプログラム「Volume Purchasing Program」(VPP)といったサービスの他、リースプログラムやローンプログラムを提供し、法人市場でのプレゼンス強化を図っている。Appleは公的機関や民間企業を対象に、さまざまなサポートを提供している。業務用モバイルデバイスを提供するベンダーの中でも、ビジネスフレンドリーといえるベンダーの1社だ。
ASUSTeK Computer
ASUSTeK Computer(以下、ASUS)は「ZenFone」シリーズのスマートフォンと「ZenPad」シリーズのタブレットを中心とした、GoogleのモバイルOS「Android」搭載モバイルデバイスを販売している。その大半はスマートフォンだが、ASUSのスマートフォンが業務用デバイスとして推奨されることは、多くない。だからといって企業の購買担当者は、ASUSのスマートフォンを選択肢から排除する必要はないし、排除すべきでもない。ASUSの製品は概して、スマートフォンよりもタブレットの方がビジネスフレンドリーだといわれている。
ASUS製スマートフォンを業務に利用するなら、ハイエンドモデル「ZenFone AR」がお薦めだ。5.7型の有機ELディスプレイ「Super AMOLEDディスプレイ」を搭載し、解像度は2560×1440ピクセル。アウトカメラを3基搭載し、GoogleのAR(拡張現実)テクノロジー「Tango」とVR(仮想現実)テクノロジー「Daydream」の両方を利用可能。メインメモリを最大8GB、ストレージを最大128GB搭載する。
ASUSが法人向けサイトに掲載しているタブレットの1つに「ASUS ZenPad 10(M1000M)」がある。10.1型のディスプレイ、SoCにMediaTekの「MT8163」、2GBのメインメモリ、16GBのストレージを搭載する。同タブレットをはじめとするZenPadの「Mシリーズ」は、ASUS独自のMDMシステム「ADAM」(ASUS Device Admin Management)を標準搭載することが最大の特徴だ。システム管理者はADAMのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)や中央集中型の管理コンソールを使って、Mシリーズを一元管理できる。
Androidを開発したのはGoogleであり、そのGoogleが独自に「Pixel」シリーズのAndroidデバイスを幾つか提供しているのは驚くことではない。
Pixelシリーズのラインアップにはスマートフォンとタブレットがある。Pixelシリーズの最大の強みは、純正のAndroidを搭載し、ブロートウェア(最初からインストールされている不要なソフトウェア)が追加されていないことだ。Androidのアップデートをすぐに受け取れるのも、Googleのデバイスならでは。他社のデバイスの場合、何カ月も待たなければAndroidの最新ビルド(バージョン)を受け取れないことがある。
Googleが提供する最新スマートフォンの1つに「Pixel 2 XL」(国内未発売)がある。4GBのメインメモリ、最大128GBのストレージ、6型有機ELディスプレイを搭載し、画面は常時オンにしておくことが可能だ。ジェスチャー機能「Active Edge」を使えば、本体の側面部を握るだけで、音声アシスタント「Googleアシスタント」を起動したり、着信電話を無音にしたりできる。画像認識機能「Google Lens」も搭載する。Google LensはGoogleアシスタントと機械学習を活用して、カメラで映した画像を解析し、関連情報を画面に表示できる機能だ。
Pixelブランドのタブレットが、キーボード着脱式タブレット「Pixel C」(国内未発売)だ。10.2型の液晶ディスプレイを搭載し、解像度は2560×1800ピクセル。NVIDIAのSoC「Tegra X1」、3GBのメインメモリ、最大64GBのストレージを搭載する。ただし本稿執筆時点で、公式オンラインストア「Googleストア」ではPixel Cを購入できない。
Googleの広報担当者によれば、同社はPixel Cを“引退”させる方針だ。近い将来、同社が新型タブレットを市場投入するかどうかは定かではない。Pixel CはまだAmazon.comなど米国のリセラー経由で入手でき、Googleはアップデートとサポートの提供を継続している。とはいえPixel Cの今後は不透明であり、企業は他ベンダーのタブレットを検討した方がよさそうだ。
世界で圧倒的な存在感を持つGoogleだが、法人への直販は基本的にしておらず、製品は一般的には通信事業者経由で購入することになる。Verizon WirelessはPixelデバイスの販売でGoogleと独占契約を結んでおり、法人顧客への大量購入割引やサポートを提供している。唯一の難点は、通信サービスもVerizon Wirelessを利用しなければならないことだ。
Huawei Technologies
Huawei Technologies(以下、Huawei)はAndroid搭載のスマートフォンとタブレットを販売している。Huaweiは法人市場でのシェアを着々と拡大し、企業向けモバイルデバイスの有力ベンダーとして地歩を固めつつある。
企業利用でのHuawei製スマートフォンの注目株は「HUAWEI Mate 10 Pro」だ。Mate 10 Proは6型の有機ELディスプレイ、オクタコアプロセッサ搭載のSoC「Kirin 970」、6GBのメインメモリ、最大128GBのストレージ、4000mAhのバッテリーを搭載する。
業務用タブレットの選択肢として有力なのは「HUAWEI MediaPad M3」だ。8.4型ディスプレイ、SoC「Kirin 950」を搭載し、薄型の筐体には硬質なアルミ素材を採用。4GBのメインメモリ、最大64GBのストレージ、5100mAhのバッテリーを搭載する。
Huaweiの法人顧客向けページの製品リストには、モバイルデバイスは含まれていない。同社は実際、モバイルデバイスの業務利用に関する情報を積極的に提供するつもりはないようだ。同社のモバイルデバイスを業務に利用したい企業は、Huaweiまたは同社の販売代理店に直接問い合わせ、具体的な情報を入手する必要がある。
Lenovo
Lenovoは法人向けモバイルデバイスの販売に力を入れている。同社はあらゆる規模の企業向けにオンラインリソースを提供しており、特に中堅・中小企業に注力しているようだ。LenovoはAndroidスマートフォン(その多くは「Motorola」ブランド)に加え、AndroidタブレットとWindowsタブレットを販売している。
業務用スマートフォンの選択肢として有力なのは「moto z2 force edition」(国内未発売)だ。5.5型の飛散防止ディスプレイ、SoC「Snapdragon 835」、4GBのメインメモリ、64GBのストレージを搭載。ストレージはmicroSDメモリーカードで2TBまで拡張可能だ。12Mピクセルのデュアルレンズのアウトカメラを搭載し、機能拡張モジュール「moto mods」を本体の背面に装着できる。薄型化の代償として、バッテリー容量はわずか2730mAhとなっている。
Lenovoのタブレット「ThinkPad X1 Tablet」の第2世代モデルは、明確に企業をターゲットに据えたタブレットだ。OSに「Windows 10 Pro」を搭載し、Windows管理システムによる管理が可能だ。プロセッサは「第7世代インテルCoreプロセッサー」ファミリーの幾つかの選択肢から選ぶことができる。メインメモリを最大16GB搭載でき、モジュールを追加して機能を拡張することもできる。
法人市場への注力の一環として、Lenovoは法人顧客向けのオンラインストアや後払い決済サービスの他、小規模企業向けに各種オンラインリソースを提供している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[キヤノンマーケティングジャパン株式会社] マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か? -
市場調査・トレンド
[キヤノンマーケティングジャパン株式会社] 有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは -
製品資料
[キヤノンマーケティングジャパン株式会社] マンガで解説:情シスの負担を減らす「MDRサービスのインシデント対応」の中身 -
市場調査・トレンド
[SANS Training Japan 合同会社] “知識”では守れない AI時代に問われる実戦力の身に付け方 -
製品資料
[株式会社イトーキ] 会議室不足を解決する「AI×データ」活用術
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
3
Microsoft 365移行で露呈した標準機能の限界 地方銀行は上長承認や「脱PPAP」をどう実現?
-
4
AIエージェントで「ERPの魔改造」復活の懸念 せっかくのクリーンコアが崩壊
-
5
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
6
Googleの業務向けAIエージェント「Gemini Agent」が登場 しかし課題は山積み
-
7
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
8
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
9
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
10
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
8
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
-
9
脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ
-
10
自社データから高精度な回答を生成、簡単に生成AIチャットボットを構築する方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー