タブレットとスマートフォンを法人向けに販売する主要ベンダー9社の主力製品を紹介する。各社の製品は多様であり、業務にどこまで役立つかは、まちまちだ。
企業が業務用モバイルデバイスとして活用できるスマートフォンとタブレットの選択肢は何百とあり、サイズや機能、性能はさまざまだ。こうした選択肢の多さは買い手にとって恩恵となり得る。だが多数の選択肢があることで、かえって最適なデバイス選びが難しくなる可能性もある。
本稿では、スマートフォンとタブレットの両方を販売する主要ベンダー9社の主力製品を紹介する。業務利用への対応度は製品によってまちまちだ。
モバイルデバイスの業務利用の推進という点で、Appleは他ベンダーと比べて善戦している。Appleは現在、「iPhone」シリーズのスマートフォンと、「iPad」シリーズのタブレットを販売する。
Appleの最新スマートフォン「iPhone X」は、ほぼベゼル(額縁)レスのデザインを採用し、有機ELを利用した5.8型の「Super Retina HDディスプレイ」を搭載する。解像度は2436×1125ピクセル。ホームボタンを廃止し、従来の指紋認証機能「Touch ID」に代わる新しい生体認証システムとして、顔認証機能「Face ID」を搭載する。Appleの高性能SoC(統合プロセッサ)「A11 Bionic」を搭載し、ストレージ容量は最大256GB。背面にはガラス素材を採用した。ワイヤレス充電の利用も可能だ。
iPadシリーズで特に企業からの人気が高いのは「iPad Pro」シリーズだ。12.9型の「Retinaディスプレイ」を搭載する「12.9インチiPad Pro」は、解像度が2732×2048ピクセル。新テクノロジー「ProMotionテクノロジー」によってタッチ操作の反応を向上させた他、iPad Pro用のスタイラスペン「Apple Pencil」(別売)を利用できる。12.9インチiPad Proは、SoC「A10X Fusion」、最大512GBのストレージを搭載し、バッテリー持続時間は平均で10時間程度だ。
iPhoneシリーズやiPadシリーズは全て、AppleのモバイルOS「iOS」を搭載する。iOSはモバイルデバイス管理(MDM)機能を備え、エンタープライズモビリティー管理(EMM)製品を使ったデバイス管理を可能にしている。他にもAppleは、大小さまざまな規模の企業に向けたサービスを各種提供している。ただしApple製品は価格が比較的高めなので、小規模企業やスタートアップ企業にとっては、手が届かない可能性がある。
たとえそうであっても、Appleはあらゆる規模の法人向けに導入支援プログラム「Device Enrollment Program」(DEP)やボリュームディスカウントプログラム「Volume Purchasing Program」(VPP)といったサービスの他、リースプログラムやローンプログラムを提供し、法人市場でのプレゼンス強化を図っている。Appleは公的機関や民間企業を対象に、さまざまなサポートを提供している。業務用モバイルデバイスを提供するベンダーの中でも、ビジネスフレンドリーといえるベンダーの1社だ。
ASUSTeK Computer(以下、ASUS)は「ZenFone」シリーズのスマートフォンと「ZenPad」シリーズのタブレットを中心とした、GoogleのモバイルOS「Android」搭載モバイルデバイスを販売している。その大半はスマートフォンだが、ASUSのスマートフォンが業務用デバイスとして推奨されることは、多くない。だからといって企業の購買担当者は、ASUSのスマートフォンを選択肢から排除する必要はないし、排除すべきでもない。ASUSの製品は概して、スマートフォンよりもタブレットの方がビジネスフレンドリーだといわれている。
ASUS製スマートフォンを業務に利用するなら、ハイエンドモデル「ZenFone AR」がお薦めだ。5.7型の有機ELディスプレイ「Super AMOLEDディスプレイ」を搭載し、解像度は2560×1440ピクセル。アウトカメラを3基搭載し、GoogleのAR(拡張現実)テクノロジー「Tango」とVR(仮想現実)テクノロジー「Daydream」の両方を利用可能。メインメモリを最大8GB、ストレージを最大128GB搭載する。
ASUSが法人向けサイトに掲載しているタブレットの1つに「ASUS ZenPad 10(M1000M)」がある。10.1型のディスプレイ、SoCにMediaTekの「MT8163」、2GBのメインメモリ、16GBのストレージを搭載する。同タブレットをはじめとするZenPadの「Mシリーズ」は、ASUS独自のMDMシステム「ADAM」(ASUS Device Admin Management)を標準搭載することが最大の特徴だ。システム管理者はADAMのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)や中央集中型の管理コンソールを使って、Mシリーズを一元管理できる。
Androidを開発したのはGoogleであり、そのGoogleが独自に「Pixel」シリーズのAndroidデバイスを幾つか提供しているのは驚くことではない。
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