クラウドサービスは高度な技術を広く普及させ、社会全体の生産性を向上する可能性がある。クラウドの重要な役割は、人工知能(AI)などの最新ツールとのパイプ役を果たすことにある。
オンプレミスのERPシステムはコストパフォーマンスが高い選択肢だと考えている企業もあるが、それは間違いかもしれない。最新のレポートによると、クラウドベースのERPシステムは人工知能(AI)ツールなどの高度な機能が利用できるため、生産性の向上が約束されるという。
生産性を向上する鍵の1つは、必要とする高度なツールと接続可能にすることだが、これはクラウドサービスが得意とする分野だ。最新のレポートでこの論旨を展開しているのは、ペンシルベニア大学ウォートン校のMack Institute for Innovation Managementで上級研究者を務めるマイケル・マンデル氏だ。同氏は、ハーバード大学の経済学の博士号を取得している。
「昨今、企業の生産性はひどい状態にある」と同氏はインタビューで語っている。企業の生産性は2016年に下落し、翌2017年には1.2%と増加の兆しを見せている。
「現状を考えると、これは大問題だ。テクノロジーはこれほど進化しているのに、生産性の全体的な数値には反映されていない」(マンデル氏)
マンデル氏はOracleの支援を受けてこのレポートを執筆している。Oracleは、顧客企業のテクノロジー移行、例えばオンプレミスERPからクラウドサービスへの切り替えなどをサポートしている。事実、マンデル氏のレポート『Intelligent Finance: How CFOs Can Lead the Coming Productivity Boom』(注1)は、「オンプレミスERPシステムからの脱却」や「自動化の導入」を主導する役割を果たす金融業界の経営幹部を対象にしている。
※注1:インテリジェントファイナンスとは、CFO(最高財務責任者)が生産性の急成長を主導する方法のこと。
生産性の成長が停滞している理由についてはさまざまな議論がある。「製品の影響力を誇大宣伝している」とテクノロジー業界を非難する声もある。
テクノロジー業界は「小型かつスマートで高性能の製品」を生産しているにもかかわらず、電化製品や自動車と同じようには生産性や生活水準を変えていないと主張する評論家もいる。ノースウエスタン大学の経済学者ロバート・ゴードン氏もその1人だ。同氏の著書『The Rise and Fall of American Growth』(米国の成長の栄枯盛衰)では、多くの課題が生産性の向上を妨げていると論じている。
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