導入経験者が語る「新しいサーバレス監視ツール」の魅力と弱点とはX-RayとCloudWatchだけでは不足する場合も(1/2 ページ)

サーバレス監視ツールはほんの数年で目覚ましい進歩を遂げてきた。だが、サーバレスインフラを包括的に可視化する機能は依然強く待ち望まれている。

2018年08月30日 05時00分 公開
[Beth PariseauTechTarget]

関連キーワード

Amazon Web Services | API | DevOps


画像 包括的な監視の需要が高まっている。

 New Relic、AppDynamics、Dynatraceなどのベンダーが提供するアプリケーションパフォーマンス監視(APM)ツールは、Amazon Web Service(AWS)の「Amazon CloudWatch」(以下、CloudWatch)を使って「AWS Lambda」(以下、Lambda)環境でサーバレス監視ログとメトリクスを集める。企業のサーバレスユーザーは、CloudWatchのログを、「Splunk」や「Sumo Logic」などのログ監視ツールにエクスポートすることもある。

 このようなツールはメモリ使用量など、システムレベルのデータを重視する傾向があるが、システムレベル以外にも、要求率やネットワークの細かい遅延など、重要度の高いメトリクスもある。

 「私の経験では、手始めに使ってみるにはCloudWatchのメトリクスが優れている」と話すのは、英国のスポーツストリーミング配信サービス企業DAZNのプリンシパルエンジニアを務めるヤン・ツイ氏だ。サーバレスシステムに関する独立コンサルタント兼トレーニングスペシャリストでもある同氏は、テレビゲーム開発企業Space Ape Gamesやソーシャルネットワーク企業のYublなど、さまざまな企業でサーバレスシステムを運用環境に導入した経験がある。「多数の関数を利用する複雑な運用環境で実行すると、Amazonが提供するサポートでは対応できない部分がある」と同氏は続ける。

コードのインストルメンテーションを行う特殊なサーバレス監視ツール

 サーバレス監視ツールは、個別の関数やインフラのリソースを監視するだけではなく「アプリケーションを形成する方法を明らかにする」データを探すことに注力する。こうしたツールは、通常、関数にコードを注入し、監視データをダッシュボードやメトリクス収集用APIに送信する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

ITmedia マーケティング新着記事

news166.png

2024年の消費者購買行動変化 「日本酒」に注目してみると……
2023年と比較して2024年の消費者の購買行動にはどのような変化があったのか。カタリナマ...

news083.jpg

FacebookやXなど主要SNSで進む「外部リンク制限」の実態 唯一の例外は?
ソーシャルメディアはかつてWebサイトへの重要な流入経路であった。しかし、最近は各プラ...

news079.jpg

生成AIとAR/VRで失った個性を取り戻す――2025年のSNS大予測(Instagram編)
万能だが特徴のはっきりしない「何でも屋」と化したInstagram。2025年の進化の方向性を予...