ストレージベンダーのHitachi Vantaraは、前身のHitachi Data Systemsから方針転換し、ストレージ自体の性能から、ストレージとAI技術やIoTデータの連携に重点を移しつつある。
Hitachi Vantaraは最近のユーザーカンファレンスで今後の方向性を示した。そのメッセージの大半は、同社のストレージがいかに人工知能(AI)技術やモノのインターネット(IoT)に適しているかについての説明だった。
2018年9月に開催された『Hitachi NEXT 2018』では、Hitachi Vantaraの経営幹部が経営の全体像を説明した。しかし同社のストレージ戦略の詳細についてはほとんど伝わってこなかった。今後数カ月以内に詳細を明らかにする予定だと話したのは、Hitachi VantaraでAI運用ソフトウェアとインフラシステムのシニアディレクターを務めるネイサン・モフィット氏だ。
「長期的には、2つの方針変換を行っていく。一つは、コア、エッジ、クラウドのユースケースに幅広く対応するアジリティーを備えたストレージOSを用意することだ。もう一つは、適切な意思決定に役立つように、データソースを融合させ、照合整理することだ」(モフィット氏)
Hitachi Vantaraは米国を拠点とする、日立製作所の子会社だ。同社は2017年にストレージ装置のベンダーHitachi Data Systems(HDS)と、IoTデータの分析ベンダーであるHitachi Insight GroupとPentahoを統合して設立された。
しかしHDSブランドを手放すという決断を、Hitachi Vantaraは既に後悔しているのではないだろうか。クラウドについての同社のメッセージは漠然とし、AI技術、NVMe(Nonvolatile Memory Express)フラッシュ、マルチクラウドデータサービスを統合するストレージで競合他社に追い付こうとしているように見える。
「Hitachi Vantaraは、ストレージについて、同社自体が行き過ぎたと感じるほど極端なメッセージを送ってしまったのではないだろうか。今は元の方向に戻そうとしているように思える」とEnterprise Strategy Groupでアナリストを務めるマーク・ピーター氏は話す。「同社の説明全体は、ストレージを重視していたHDSに戻ろうとしているように聞こえた」
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