Schneider ElectricやBoxなどに直撃
2019年に本気で取り組みたいITトピックは? 5人のCIOが新年の誓い
5人のCIOに、ITに関する2019年の誓いを紹介してもらった。野心は限りなく大きい。RPAやAIなど、センシティブなデータの処理やビジネスの拡張につながるプロジェクトが挙がっている。
最高経営責任者(CEO)や役員会は最高情報責任者(CIO)に対し、ビジネス上の差異化を促進したり、支援したりする技術の提供を求めている。
CIOが掲げた2019年の目標は多岐にわたる。本稿では5人のCIOに、それぞれの新年の誓いについて詳しく説明してもらった。この5人の目標は細部こそ異なるものの、ITリーダーがビジネスを全面的にバックアップするパートナーの役割を果たしていることがにじみ出ている。
エリザベス・ハッカソン氏(エネルギー管理・自動化のグローバル専門企業Schneider ElectricのCIO)
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)とAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を組み合わせることで、デジタル化が一層速いペースで進むと確信している。開発部門と運用部門が連携して進める「DevOps」やアジャイル開発といったシステム開発手法と、RPA/APIといった技術を組み合わせれば、デジタルサービスを迅速に顧客に届けることが可能になる。クラウドへの移行を進め、顧客と従業員にリアルタイムのデータを提供し、既存のシステムとデータへのアクセスを解き放とうとする中で、APIは中心的な手段となる。
ほとんどの業界や企業にとって、デジタル技術の採用は不可欠だ。CIOはまずデジタル技術への理解を深め、ステークホルダーと連携して、最も適切な技術を活用しなければならない。
ジョエル・ジェイコブズ氏(政府機関委託の調査研究を手掛ける非営利組織MITREの副社長兼CIO)
私が現在、最も力を注いでいるのは、われわれのビジネスに関するイメージの再形成だ。これまでわれわれは、長らくビジネスプロセスを見直してこなかった。変化を望まなかったからではなく、組織的な複雑さが原因だった。そこでわれわれはシンプル化を図り、プロセスのもつれをほどいて、われわれの環境から摩擦を取り除こうとし始めている。それは、一部の中核的なシステムの変更を意味する。
センシティブなデータを扱える分析システムの構築には、多大なエネルギーを要する。こうしたシステムの意味は大きい。われわれの職員や研究員は、機械学習をはじめとする人工知能(AI)技術から一般的な分析ツールに至るまで、幅広いツールを必要とする。われわれのビジネスで扱うデータは多くの場合、慎重な取り扱いが求められる。こうしたデータの扱いに適した信頼できるシステムを持つことができれば、われわれにとって大きな力になる。
これらの取り組みには、私の個人的な時間の大部分を費やすことになる。他にも対処すべき課題は山積しているが、こうした課題については私に代わって部長級に取り組んでもらえるように努めている。
ポール・チャプマン氏(法人向けファイル共有サービスベンダーBoxのCIO)
従業員が仕事を楽しめるようにして、従業員に向けて煩わしさのないエクスペリエンス(経験価値)を創出し、従業員の生産性を最大限に高められるようにする。
われわれのビジネスを10億ドル以上の規模に拡大するとともに、労働集中性を軽減するために自動化を推進する。中核的なビジネスプロセスにおいて、機械学習とRPAの導入をいかに増やすことができるかを検討したい。
コル・チャニ・A・コルデロ氏(医療機関Carl R. Darnall Army Medical CenterのCIO)
2019年の私の目標は、遠隔医療をはじめとする「バーチャルヘルスケア」の能力を向上させることにある。そのために医師が必要とし、手助けになる技術ツールや情報に目を向ける。
サービス管理に対する標準的なアプローチの確立も大切になる。私はITサービス運用管理のガイドラインである「ITIL」の大ファンだ。だがわれわれの組織には、ITILの考え方が根付いているわけではない。私は2018年にここで働き始めたばかりなので、2019年はわれわれの組織に欠けている、基本的なIT運営の基準を確立したい。
スタッフや管理職との交流を促進し、関係性を向上させることも2019年の目標だ。「チームのチーム」を構築し、もっと大きな展望を描けるようにしたいと考えている。チームのチームというアイデアは『Team of Teams:New Rules of Engagement for a Complex World』(スタンリー・マクリスタル、タントゥム・コリンズ、デービット・シルバーマン、クリス・フセル著)という書籍に由来する。その基本は、個別のチームが力を合わせて共通の目標を追求することだ。
複数のチームが存在する場合、それぞれが孤立しないよう気を配らなければならない。各チームに他のチームと連携させ、他のチームのワークフローとプロセスに関する理解を徹底させる必要がある。チームが分かれていると、互いのチームの問題点が分かりにくい。そのためチーム間のミーティングを義務付け、各チームが何をしているか、他のチームをどう支援するかについて共有させたい。
マーティー・ボス氏(オンラインチケット交換サービスStubHubのCIO)
恐らく多くのCIOから耳にすることだとは思うが、私が2019年に成功しなければならない目標の一つは、“技術的負債”を引退させることだ。15~16年前に書かれたコードを、今もわれわれは本番環境で使っている。モノリシック(巨大な一枚岩)型のコードも残っている。こうしたコードのモダナイゼーション(現代化)を進め、われわれ独自のプライベートクラウドへ、そしていずれはパブリッククラウドへ移行することが目標だ。2019年中にコードの半分をモダナイゼーションしたいと考えている。
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