「悪ふざけ動画」のような不祥事と、不適切な労働環境は無関係ではない。加盟店の事件はブランド全体に影響するため、法令順守を目的としてフランチャイズ事業者が勤怠管理システムを見直す動きが出てきている。
「『特定技能』で増える外国人材、勤怠管理システムの見直しが急務になる理由」で紹介したように、「外国人材の増加」に伴って勤怠管理システムに求められる機能やニーズの変化は、法改正のみならず、人手不足などの社会情勢の変化によってもたらされたものだった。筆者はもう一つ、フランチャイズビジネス事業者において、勤怠管理システムに求められる機能やニーズが大きく変化する兆しを感じている。これもやはり社会情勢の変化によるものだ。
例えば勤怠管理システムの「バイバイ タイムカード」は現在115社26万人のユーザーを有し、多くの店舗をチェーン展開している企業でも活用されている。ただ、チェーンといってもフランチャイズ方式を活用した大量出店をしているユーザー企業は多くない。飲食、アパレル、家具、輸入食品など、多店舗展開をしているユーザー企業はさまざまだが、その多くは直営店で、フランチャイズ店はない、もしくは少ないのだ。
これには明確な理由がある。ブランドやノウハウを提供するフランチャイズビジネスは、フランチャイザー(本部、ノウハウ提供側)がフランチャイジー(加盟店)にオーダリングや経営管理などのさまざまなシステムを提供する。ところが、提供システムの中に勤怠管理システムは含まれていないことが珍しくなかった。その理由はさまざまだが、一番のポイントは「雇用主体が誰か」という点にあると考えられる。
フランチャイズ店舗で働く人たちは、本部ではなく加盟店と雇用契約を結んでいる。それぞれの地域性や経営者の考えなどによって、加盟店ごとに就業規則も給与体系も異なる。このため勤怠管理だけはある程度加盟店に任せているというケースは珍しくない。実際、某社のクラウド勤怠管理システム導入事例にも挙がっているフランチャイズ企業では、本部推奨システムとして加盟店にクラウド勤怠管理システムを紹介しているものの、導入するかしないか、設定やどのように使うかは、加盟店に一任していると聞いたことがある。
バイバイ タイムカードのユーザー企業の中には、さまざまな飲食店ブランド(フライドチキン店、ドーナツ店、コーヒー店、スープ店など)とフランチャイズ契約を結んでいるメガフランチャイジー(複数の異なるフランチャイズ本部と契約して、その加盟店業務が事業の中核となっている企業)もある。メガフランチャイジーは、直接雇用している従業員については自社のルールに基づいて、勤務状況を集計している。業態やブランドが違っても、どの店舗で働く従業員にも同じルールを適用する。
あくまでも雇用主が主体となって利用する勤怠管理システムは、フランチャイズ本部が加盟店分を一括採用するニーズは高くない――というのが、これまでの筆者の認識だった。ところが、ここ1年の間に、大きな変化の兆しを感じている。フランチャイズ本部からの問い合わせが増えているのだ。
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