クラウドでシステムを運用するとき、知らないうちにリソースを無駄遣いしている可能性がある。運用中のリソースを見直す方法と、クラウドのコストを管理するためのツールについて説明する。
クラウドサービスの無駄なコストを節約する方法は幾つかある。手始めにクラウドベンダーが提供する監視ツールやコスト計算ツールを使用するのがよいだろう。ただし、このようなツールが状況を大きく改善することはない。
こうしたツールは基本的な監視タスク用に設計されている。過剰にプロビジョニング(配備)されたリソースを見つけたり、クラウドサービスの請求書からコストの変動要因を特定したりする機能は用意されていない。請求額を下げることは、クラウドベンダーの仕事ではないからだ。
コストを最適化するには、サードパーティー製のパフォーマンス管理ツールを使用して、クラウドインフラで無駄なコストを生み出している部分を特定することをお勧めする。前編「クラウドの利用料金がなかなか安くならない4つの原因」に続く本稿と後編は、クラウドコストの管理に関して取るべき具体的な行動を6つ紹介する。本稿は、そのうち2つの行動を取り上げる。
クラウドでインスタンス(仮想マシン)を稼働させるときは、目的に合った適切なリソース構成にすることが重要だ。リソースが不十分なインスタンスを選ぶと、負荷が高くなったときに、実行中の処理に対して十分なパフォーマンスを得られなくなる恐れがある。一方でリソースが過剰だと、不要なコストがかかる。
サイズの適正化には、既に構築したシステムの要件を評価する作業に加えて、今後必要となるリソースの変化を予測して、最適なインスタンスの種類を特定する作業が必要になる。多くのクラウドは、さまざまな種類のインスタンスを用意している。
これまでサイズの適正化には、ある程度の手作業は避けて通れないと考えられてきた。こうした中、New RelicやMetriclyなどのアプリケーションパフォーマンス管理(APM)ベンダーの間では、自社製品/サービスにクラウドのサイズ適正化機能を追加する動きが広がりつつある。ユーザー企業がこの機能を使用すると、ニーズに合わないリソースが割り当てられているサーバを自動検出できる。
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