Windows Virtual Desktop登場でVDI市場は変わるか【後編】
「Windows Virtual Desktop」は「Azure RemoteApp」の生まれ変わりだった?
Microsoftの「Windows Virtual Desktop」が誕生に至るまでには、どのような道のりがあったのか。開発を支援したITベンダーNerdioのCEOに話を聞いた。
「Windows Virtual Desktop」は、クラウドサービス群「Microsoft Azure」(以下、Azure)で動作するMicrosoftのDaaS(Desktop as a Service)だ。ITサービスベンダーのNerdioは、MicrosoftがWindows Virtual Desktopの開発を開始した当初からこのプロジェクトに関わっている。前編「クラウド版Windows 10『Windows Virtual Desktop』はVDI市場の破壊者か?」に続く本稿は、Microsoftがどのような道のりを経てWindows Virtual Desktopを開発したか、NerdioのCEOのワディム・ウラジミルスキー氏に話を聞いた。
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「VDI」についてもっと詳しく
―― Windows Virtual Desktopの誕生に至るまで、Microsoft製品はどのような進化をたどってきたのでしょうか。
ウラジミルスキー氏 歴史は「Windows NT Server 4.0, Terminal Server Edition」までさかのぼる。このサーバOSは当初、マルチユーザー利用はできなかった。MicrosoftがCitrix Systemsからコードのライセンス供与を受けたことが、現在まで続くCitrix SystemsとMicrosoftの協業関係の端緒となった。MicrosoftはサーバOS「Windows NT Server」で、デスクトップへのマルチユーザー接続を可能にする「ターミナルサービス」(現在の「リモートデスクトップサービス」)を実現するために、Citrix Systemsから「MultiWin」という、OSをマルチユーザー化する技術のライセンス供与を受け、「Terminal Server Edition」という特別なバージョンのWindows NT Serverをリリースした。そこからマルチユーザー機能の進化が始まり、人気が高まっていった。
当時のマルチユーザー機能の対象はあくまでもサーバベースコンピューティングであり、限定的だった。少なくともMicrosoftのマーケティングにおいては主力機能ではなく、Windowsで利用可能な一機能に過ぎなかった。
Windows Virtual Desktopは当初、リモートデスクトップサービスに代わるWebアプリケーションになる予定だった。Microsoftは、インストールすれば誰でも自分で実行できるAzure用Webアプリケーションにしようとしていた。だが最終的に同社は次のようにしたわけだ。「これらのWebアプリケーションを基に独自のPaaS(Platform as a Service)を構築しよう。他社から提供できるようにするよりも、Microsoft自身が提供し、WindowsのEnterprise版ライセンスがあれば誰でも無料で使えるものにしよう」
―― MicrosoftがマルチユーザーOSに注力するようになった転機は何でしょうか。
ウラジミルスキー氏 2014年にアプリケーション仮想化サービス「Azure RemoteApp」(ARA)が登場したことで状況が変わった。2016年にMicrosoftがARAの提供終了を決定したとき、市場からは「ARAのようなAzureサービスはどうしても必要だ」という声が多く上がった。そこでMicrosoftは構想を見直し、Windows Virtual Desktopの案が生まれた。
Windows Virtual Desktopが画期的なのは、数々の先進的機能もさることながら、プロファイルを管理して「Windows 10」を使用できることであり、アプリケーションとデスクトップをユーザーに配布するための正規の主流モデルとして、Microsoft自身が提供するということだ。
ほんの1年前までは、デスクトップ仮想化業界にMicrosoftの姿はなかった。VDI市場は常にMicrosoftを中心に回ってはいたが、Microsoft自身は参加していなかった。ついにMicrosoftが参入し、マーケティングを開始して発信を始めたことは本当に喜ばしい限りだ。
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Windows Virtual Desktop登場でVDI市場は変わるか
Microsoftが2018年秋に発表した「Windows Virtual Desktop」の登場によって、仮想デスクトップインフラ(VDI)の市場勢力図に変化は起きるだろうか。本連載は、Windows Virtual Desktopの開発に関与したITベンダーNerdioのCEOに話を聞き、開発の背景や今後の市場動向について解説する。
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