「AI」で進化する自動化技術【後編】
RPAでは難しくても「AIによる業務自動化」なら実現できることとは?
業務自動化システムは人工知能(AI)技術を利用することで、高度な処理が可能になりつつある。具体的にどのような処理ができるようになるのか。
企業はロボティクスプロセスオートメーション(RPA)をはじめとした業務自動化システムによって、職場で発生する単純作業や業務プロセスを自動化できるようになった。さらに業務自動化システムは機械学習をはじめとする人工知能(AI)技術を組み込み、より高度な処理を可能にしつつある。前編「RPAでは満足できない企業に贈る『AIによる業務自動化』のすすめ」に続く本稿は、AI技術を使った業務自動化システムでできることを説明する。
単純なソフトウェアロボットでできること
どの作業を自動化すべきか見極めるためには、その作業を自動化することで業務プロセス全体を改善できるかどうか、あるいは自動化以前にその作業を残すべきかどうかを見極める必要がある。社内には、業務自動化システムの導入によってすぐに投資効果が出る作業が少なからずある。例えば作業レポートの作成やデータの整理といった反復する単純作業は、RPA製品のソフトウェアロボットに受け渡して自動的に処理することができる。
業務自動化システムは、部門間で見落とされがちな作業の報告処理に適している。例えばスプレッドシートにデータの不一致がないかどうか検証する責任を1つの部門が担っていて、その不一致の修正を別の部門に引き継ぐとしよう。その場合、業務自動化システムを利用することで、引き継ぎ元の部門が検証から引き継ぎ完了までの手順を簡単に管理できる。
インテリジェントな業務自動化システムでできること
さらに複雑な作業の場合、業務自動化システムの仕組みも複雑性が増す。例えば文章を読んで理解しなければならない作業や、複雑な決定が求められる作業、識別またはパターン照合の要素を伴う作業については、現時点では人間が最も適している。他の人間との共同作業が必要で、コミュニケーション能力や共感力が頼りの作業も、非インテリジェントなシステムで自動化することは難しい。AI技術を使った業務自動化システムが果たすべき役割はそこにある。
AI技術を使った業務自動化システムは、機械学習に人間の判断を学習させることで、コンピュータで画像を認識する能力、文章と音声を理解できる自然言語処理能力、高度な予測分析の能力を持つことができる。これにより、複雑な意思決定や例外処理ができるようになる。
プロセスの最適化も自動で
今のところ、自動化に適した作業を選び、適用するためには人間が必要だ。一方で機械が自律的に社内のプロセスを発見して最適化する技術の開発も進んでいる。一部の業務自動化システムは、プロセスがどのように構成され、実際に運用されているかをAI技術で特定できる。そうした業務自動化システムは自ら学習してプロセスの流れを改善する手段を見出し、プロセスの変更を提案して実行する。これにより複数のソフトウェアロボットを自動的に連携させて、プロセスの最適化を図る。
何がプロセス自動化に適しているかを判断する作業の大部分は、どんな作業がインテリジェントなシステムを必要とするかを見極めることにある。機械学習は大きく進展したが、その判断や分析は学習データに基づいている。そのため業務自動化システムには経験や直感に基づく判断をしたり、他の分野に関する既存の知識が求められる分析をしたりする能力はない。
複雑なプロセスを短時間かつ低コストで積極的に学習するソフトウェアロボットが、人から社内の管理業務や運用業務を奪ってしまうことに対する懸念もある。それでも企業にとって人材に価値があることは簡単に分かる。業務自動化システムは人件費の削減に貢献し、従業員は生産性の高い業務に専念することが可能になる。
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