映像配信サービス「ひかりTV」を運営するNTTぷららは「Azure Blob Storage」のデータをオンプレミスに移行した。大量のデータをクラウドではなくオンプレミスに置くことを選んだ理由は何だったのか。
映像配信サービス「ひかりTV」を提供するNTTぷららは、Microsoftのクラウド形式のオブジェクトストレージサービス(以下、クラウドストレージ)「Azure Blob Storage」で管理していた約22億ファイルをオンプレミスに移行した。Azure Blob Storageは、クラウドサービス群「Microsoft Azure」(以下、Azure)に含まれるサービス。オンプレミスで受け皿になったのは、Dell EMCのオブジェクトストレージシステム「Elastic Cloud Storage」(ECS)シリーズの「ECS-U2800」だ。
NTTぷららは、ひかりTVの映像配信用データをAzure Blob Storageで管理していた。ひかりTVのコンテンツ配信の仕組みは、ユーザーからのリクエストに直接応じるサーバとして「コンテンツデリバリーネットワーク」(CDN)を用いている。CDNはキャッシュサーバを分散して配置することでコンテンツ配信を高速化する役割を担っており、オリジナルのコンテンツは東日本リージョンと西日本リージョンで冗長化したAzure Blob Storageで保管していた。
この運用には2つの問題があった。1つ目の問題は、コストの高騰だ。Azure Blob Storageはデータを取り込む「受信」は無料だが、データをAzure Blob Storageから取り出し、外部の環境に送信する際は料金が発生する。これがコストを押し上げる要因となっていた。
2つ目は運用管理の質の低下だ。クラウドサービスはインフラの運用管理をクラウドベンダーに任せることになるため、問題が発生した場合に内部で何が起きているのかが分かりにくい場合がある。「何か問題が発生した際に、その原因を自分たちで特定して改善につなげることができず、サービスの品質低下を招く不安材料となっていた」と、NTTぷららの大橋峰延氏は説明する。
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