前編「ブロックチェーンを使ったフードサプライチェーン管理の『理想と現実』」、中編「食品の安全を守る『トラック&トレース』にブロックチェーン技術は役立つか」で紹介した通り、ブロックチェーンの信頼性はフードサプライチェーン(生産者から消費者へと食品を届けるための一連の流れ)のトレーサビリティ確保に役立つ可能性がある。ただしブロックチェーンの効果に懐疑的な専門家は少なくない。
代表的な問題は、ブロックチェーンには業界の標準規格が存在しないことだ。定着したベストプラクティスやプロトコルもない。つまり利用するブロックチェーンが異なれば、異なる方法でデータを扱うことになる。
ノースカロライナ大学グリーンズボロ校(UNCG)ブライアンスクールオブビジネス・アンド・エコノミクスの教授であるニール・キシェトリ氏は、中国のEコマース企業JD.comと、内モンゴル自治区を拠点とする食肉製造販売会社Inner Mongolia Kerchin Cattle Industry(以下、Kerchin)が開発したブロックチェーンシステムを例に挙げる。
Kerchinは、自社製品のバーコードをスキャンすることにより、そのフードサプライチェーンのデータを収集/保存している。その後、そのデータをブロックチェーンに入力する。それ以降、データ変更にはデジタル署名が必要になる。データに変更や修正が加えられた場合、ブロックチェーンシステムは両当事者に通知する。JD.comは、Kerchinの工場で定期的に無作為に抽出する検査を実施することで、情報の正確性と妥当性を調査しているとキシェトリ氏は説明する。
ブロックチェーン内のデータは至る所に散在しているのが一般的で、データ同士を結び付けるには大量の連携作業を必要とする。Cisco Systemsで企業戦略イノベーション部門の統括責任者を務めるマチェイ・クランツ氏は「これではデータの一貫性やセキュリティに関する問題に対処できない」と述べる。
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