「真のHCI」とは何か? 「CI」との違いを見極める方法曖昧になるインフラ【前編】

さまざまなHCI製品が登場するにつれて、CI製品とHCI製品の境界線が曖昧になってきた。最近登場した製品を含めて、HCI製品の特徴を整理する。

2020年03月03日 05時00分 公開
[Dave RaffoTechTarget]

 「コンバージドインフラ」(CI)製品と「ハイパーコンバージドインフラ」(HCI)製品の違いが曖昧になってきた。最近は名称にHCIを含む製品も登場している。ただし製品名にHCIを含むだけで実際には本来のHCI製品の定義を満たしておらず、CI製品に分類した方が適切である製品が少なくない。

 例えばNetAppの「NetApp HCI」という製品がある。これはサーバとストレージシステムを別々の筐体として組み合わせた製品で、CI製品の構成に近い。ストレージシステムにはフラッシュストレージを採用した「NetApp SolidFire」を使用する。

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)の「HPE Nimble Storage dHCI」はフラッシュストレージシステム「HPE Nimble Storage」とラックサーバ「HPE ProLiant DL」を組み合わせている。構成はNetApp HCIによく似ていてCI製品に近い。

 「CI製品に似た製品は、HCI製品に求められる拡張性などの一般的なニーズを満たすことが難しい」と指摘しているわけではない。定義上は本来のHCI製品ではないということだ。

 NetApp自身はNetApp HCIについてオンプレミスで運用する「ハイブリッドクラウドインフラ」だと説明している。HPEはHPE Nimble Storage dHCIの製品名に「d」を付けている。これは「disaggregated」(分離型)の頭文字になっていて、構成要素が分離していることを表現している。つまり製品名にHCIを含むものの、アーキテクチャはサーバとストレージシステムが分離しているため、もはや本来のHCI製品には分類できない。

再定義を迫られるHCI

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。