企業のアプリケーション開発と運用にクラウドサービスを使用する動きは、依然として広がっている。ITインフラのコストを下げ、スケールアップとスケールダウンを容易にするために、自社で所有・運用するオンプレミスのインフラからクラウドサービスにアプリケーションを移行したり、複数種類のクラウドを組み合わせるマルチクラウド戦略を推し進めたりする企業は少なくない。
ただしクラウドサービスは常にメリットをもたらすわけではない。一切クラウドサービスの恩恵を得ることなく終わるプロジェクトもある。クラウドサービス移行の失敗は珍しいことではない。アプリケーションをクラウドサービスに移行しても、オンプレミスのインフラと同じように機能しない場合は、オンプレミスに回帰させる“脱クラウド”に踏み切らざるを得ない。
セキュリティベンダーFortinetの依頼を受け調査会社のIHS Markitが実施した調査によると、脱クラウドの理由として、クラウドサービスに期待していた効果が得られなかったことを挙げる企業が多い。回答者の74%がアプリケーションを自社のインフラに戻したと答えている。この調査はグローバルIT意思決定者350人を対象に実施された。
「企業がアプリケーションを元のインフラに戻す状況は、何かがうまくいかなかったことを示している」。そう語るのは米テキサス州ダラスに拠点を構える経営コンサルティング会社Everest Groupで、情報テクノロジーサービス部門のバイスプレジデントを務めるユガル・ジョシ氏だ。アプリケーションの移行は、パフォーマンスの低下やセキュリティリスクの増加、業務の中断、IT部門とビジネス部門のリソースの枯渇といった問題を引き起こすことがある。「アプリケーションの運用場所を変えるのは容易なことではなく、多くのリスクを伴う」(ジョシ氏)
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