感染症対策としてのテレワークの動きが広がる中、バックアップに求められる要件が変化しつつある。今のバックアップを理解するためのキーワードを紹介する。
在宅勤務などのテレワークを実施する際は、通常とは異なるデータバックアップの手法が必要になる可能性がある。前編「『オフサイトバックアップ』と『オンラインバックアップ』の違いとは?」に引き続き、テレワークのバックアップを理解する上で重要な基礎用語を解説する。
「リモートアクセス」は業務遂行のためにネットワーク経由で遠隔地にあるデータや業務システムを利用することを指す。テレワークを実施する際には欠かせないプロセスだ。リモートアクセス用のネットワークは厳重なセキュリティを確保する必要があるため、一般的には「VPN」(仮想プライベートネットワーク)が使用される。
注意点は多数のエンドユーザーによる同時リモートアクセスを可能にする必要があることだ。リモートアクセスの手段としてVPNを利用する場合、VPNの同時ログイン数を適切に確保しなければならない。これまでテレワークを実施していなかったエンドユーザーを含めて、多くのアクセスが同時に発生するようになると、VPNに過剰な負荷がかかって通信が途切れるなどの問題が発生する可能性がある。
「リモートデスクトップ」は遠隔地にあるコンピュータに接続し、そのコンピュータのデスクトップを表示して操作する方法だ。エンドユーザーの自宅のPCで、職場にあるPCのデスクトップを利用したい場合に利用できる。Citrix Systems、Microsoft、TeamViewerといったベンダーがリモートデスクトップ製品を提供する代表的なベンダーだ。
「リモートオフィス/ブランチオフィス」(ROBO)は、本社から離れた場所にあるオフィスを指す。「支社」や「支店」を意味するブランチオフィスの場合は、従業員が出社して通常のオフィス環境で仕事をする。リモートオフィスの場合はテレワークをする従業員の自宅も含まれるため、適切なデータ保護環境が整っていない場合がある。
通常、リモートオフィスにはバックアップと復旧を担当するIT担当者がいない。ただしリモートオフィスであっても、クラウドサービスをはじめとするバックアップの手段を利用して、データを適切にバックアップできるようにすることが企業に求められる責任だ。
「ROBOバックアップ」は、ROBOで発生したデータをコピーし、安全な場所に保管しておくことを指す。さまざまな場所に散在しているデータをコピーして管理するには、ネットワーク経由の一元的なバックアップ方法を用いる。
注意しなければならないのは、従業員の個人データをバックアップしないようにすることだ。クラウドストレージを利用したバックアップやファイル同期サービスの他、バックアップソフトウェアのエージェントをクライアント端末にインストールすることも選択肢になる。
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...
【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...
「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...