テレワーク主体の働き方ならなおさら
家電が消えても「会社の固定電話」が残る訳とは? 手放すメリットは?
携帯電話に移行し「家電」を持たなくなった人は少なくない。一方で企業の間では、いまだに固定電話が現役だ。企業に固定電話が残り続けるのはなぜなのか。手放すことでどのようなメリットがあるのだろうか。
この数十年で日常生活の通信手段は激変したが、オフィスにそれほど大きな変化はない。ほとんどの企業は今もデスクの固定電話を使い続け、各従業員に直通の内線番号を割り当てている。今は従業員が音声通信をするためのサービスとして、固定電話よりももっと安くて実用的な手段が存在する。
固定電話がなくならない理由と、それでも手放すべき根拠
消費者は携帯電話が登場するまで、アナログ回線による基本電話サービス(POTS:Plain Old Telephone Service)を音声通信の主な手段として使っていた。携帯電話が浸透すると、ほとんどの消費者はPOTSを使わなくなり、携帯電話のみの契約に切り替えた。携帯電話会社が低料金の通話無制限プランを提供するようになると、その傾向は一層強まった。
「携帯電話サービスさえあればいい。POTSは余分」という見方が急速に広まる中で、通信手段を携帯電話に切り替えるのは合理的な考えだった。節約のために固定電話を廃止する一般家庭が次々に現れ、「家電話」の文化は事実上消滅した。
一方で大企業も中堅・中小企業も、いまだに固定電話を使い続けている。それはなぜなのか。
一般的なユニファイドコミュニケーション(UC)システムは依然として、全従業員のデスクや執務室に固定電話を配置することを基本としている。そうした固定電話を個々のダイヤルイン(直通電話)番号にひも付けて公衆交換電話網(PSTN)に接続できるようにしている場合も少なくない。
利用状況の変化を調べてみれば、デスクの固定電話とPSTNの利用は年を経るごとに減少しているはずだ。企業はこの変化を念頭に、音声通信手段の導入方法を再考する必要がある。ソフトウェアベースの音声通信手段は従業員にとって効率的に利用できるだけでなく、企業のUC設備投資と運用コストの削減につながる。
デスクの固定電話とダイヤルイン番号の代替
企業の固定電話は、米国では一般的に1台当たり100~500ドルかかる。この数字に従業員の人数を掛けると、出費額はたちまち跳ね上がる。IT部門がそうしたハードウェアコストを削減するためによく使う手段が、会社のPCにソフトフォンを導入することだ。ソフトフォンは、企業向け固定電話と同じ機能をソフトウェアとして実現する。
ソフトフォンのアプリケーションは一般的に音声通話だけでなく、チャットとビデオ通話機能も搭載する。主要な企業向け音声通話ベンダーは「Android」と「iOS」の端末にインストールできるアプリケーションも提供しており、ビジネス用通話回線の携帯性を高めている。代替手段としてソフトフォンを利用すれば、音声通話とビデオ通話、インスタントメッセンジャーを一つのパッケージにまとめることができ、携帯性も向上する。
各従業員にダイヤルイン番号を割り当てる必要がなくなれば、もっとコストを削減できる。例えば企業はダイヤルイン番号の代わりに、自動応答機能やハントグループ(同じ電話番号を共有する回線グループ)、社内内線といったUCシステムの機能を組み合わせて使うことが可能だ。こうすればPSTNサービスを利用しても専用ダイヤルイン番号の費用はかからない。不要なダイヤルイン番号をまとめて廃止することで削減できるコストは、月間数百ドルから数千ドル以上になることがある。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[株式会社ラクス] どうすれば「変革を楽しむ組織」になれるのか? 事例に学ぶ、未来への一歩 -
製品レビュー
[デル・テクノロジーズ株式会社] 変化するサイバー脅威に備える、これからのストレージの選び方 -
事例
[サイボウズ株式会社] 受注約1.5倍と年間2万3000時間超の業務時間を削減、日機装に学ぶDX実践術 -
製品レビュー
[サイボウズ株式会社] 人材不足にどう挑む? ものづくり太郎が語る、製造現場でのAI活用成功の鍵 -
市場調査・トレンド
[グーグル・クラウド・ジャパン合同会社] 金融機関はAIエージェント導入でどう変わる? 7つの変化から19の事例まで解説
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
2
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
3
Microsoft 365侵害企業の9割はMFA導入済み 1002人調査で見えた盲点
-
4
SAPの負荷増に苦しむZeissが「リアルタイム分析」「安定運用」を両立させた道
-
5
なぜ「Claude Code」拡張は消しても危ないのか? Cursorで不正版配信
-
6
「Kubernetesプラットフォーム」に関するアンケート
-
7
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
【基本情報技術者試験】データ消失リスクを防ぐ3つの「バックアップ手法」を比較
-
10
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
2
侵入から横展開まで27秒の脅威にどう立ち向かう? 防御のカギがEDRの理由
-
3
有識者が語る、中堅中小企業に求められる最新のサイバーセキュリティ対策とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
6
なぜAIは組織で定着しないのか? 全社展開を阻む「3つの壁」と突破のヒント
-
7
パスワードレスへの移行で失敗しないためには? 導入・運用上の注意点を解説
-
8
自社のセキュリティ対策は大丈夫? 自己診断リストで対策の優先順位が分かる
-
9
ランサムウェア攻撃“究極の対策”はこれだ
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー