リモートアクセス時のセキュリティを確保する手段として「リモートアクセスVPN」が広く使われているが、他にも手段はある。自社の要件に合ったリモートアクセスVPNやその代替策を検討するためのポイントを紹介する。
前編「『リモートアクセスVPN』選びは慎重に 個人データを売る悪徳サービスも」で紹介した通り、「リモートアクセスVPN」はクライアント端末からLANやWANといった社内ネットワークへの安全な接続を可能にする一方、セキュリティは完全とは言えない。リモートアクセスVPNが自社の要件に合わなければ、代替できる手段が幾つかある。本稿はリモートアクセスVPNの導入や変更時に参考になるガイドラインと、主要な代替策を紹介する。
リモートアクセスVPNまたは代替策の導入検討においては下記のポイントを考慮するとよい。
予算、セキュリティ、リモートアクセス方法の拡充といった要件に合わせて、検討可能な方法は幾つもある。リモートアクセスVPNの代替策を検討する際は、次のような候補がある。
「Smart DNS Proxy」は、クライアント端末のIPアドレス情報を保護するプロキシサーバを提供する。クライアント端末からの接続リクエストをインターネットに送信する前に、ISP(インターネットサービスプロバイダー)がクライアント端末向けに発行したIPアドレスを、Smart DNSが生成した別のIPアドレスで代替する。
「Tor」(The Onion Router)は、送信元から宛先にデータをルーティングする際に、玉ねぎ(Onion)のように多層にデータを暗号化し、データをカプセル化して保護する。これによってクライアント端末のIPアドレスなどの個人情報をISPや広告業者から保護できる。
オープンソースのプロキシサーバ「Lantern」は、通過する全てのデータを暗号化することでセキュリティを確保する。インターネット通過時のエンドユーザーの匿名化を主な目的としているわけではない。高速ブラウジングを特徴とし、IPアドレスによって接続制限がかかるWebサイトやアプリケーションにも接続可能だ。
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