Microsoftは表計算ツール「Microsoft Excel」とビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Power BI」の連携を強化し、Excelユーザーが使える「Data Types」(データ型:データの種類を定義する仕組み)が増えた。これはユーザーにとって恩恵と言えるアップデートだ。ただしデータ分析のコンサルティング企業TreeHive Strategyのプリンシパルであるドナルド・ファーマー氏は「このアップデートはデータガバナンス問題につながる可能性がある」と指摘する。前編「『Excel』と『Power BI』の双方向連携を進めるMicrosoftの意図とは?」に続き、中編となる本稿は、ExcelとPower BIの新しい連携機能がもたらすリスクを考察する。
ファーマー氏によると「Excelが使いやすいが故にユーザーは、もっと安全性が高い(だがもっと操作が複雑な)分析ツールの方が適切な場合でも、あえてExcelを選ぶことがある」と話す。同氏は「データ型が追加された理由は理解できるものの、Excelの利用が問題になった事例は枚挙にいとまがない」と懸念を示す。その原因は大抵の場合、Excelが使いやすく形式も自由だからという理由で、不適切な文脈で使われたり、ガバナンスに優れたアプリケーションが求められるプロセスで無理に使われたりしたことによる。
Microsoftが2020年10月29日に公開したブログの投稿は「Microsoftがまだ、Excelにとってのガバナンスやコンプライアンスに関する疑問を深刻に受け止めていないことを表しているのではないか」とファーマー氏は見る。一方でMicrosoftのExcel担当製品責任者であるブライアン・ジョーンズ氏は「データガバナンスの思想はデータ型の中核にある」と強調する。
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