もしAmazonが建設業界に進出したら【後編】
“破壊者”Amazonに敗北しないために建設業がやるべきこととは?
Amazon.comが建設業界に進出した場合、企業にも消費者にもメリットをもたらす可能性がある。だがデジタル化に遅れた建設業界の企業にとっては大きな脅威となり得る。生き残るために建設業界の企業は何をすべきか。
前編「“破壊者”Amazon、次の標的は建設業界か 『Alexa』『Key』が参入の布石?」は、Amazon.comが建設業界への進出を目指しているとみる専門家の見解を紹介した。後編は、Amazon.comの参入が建設業界にもたらすメリットと、建設業界の既存企業がすべきことを紹介する。
Amazonに滅ぼされないために建設業がやるべき5つのこと
経営コンサルティング企業McKinsey & Company(以下、McKinsey)の調査部門であるMcKinsey Global Instituteの分析によると、建設業界はリスクを取りたがらず、利益率が限られる傾向にある。それが、IT導入において建設業界が他の業界に後れを取る理由になっているという。
McKinsey Global Instituteが2016年に発表した調査レポートによると、巨大な資本プロジェクトの場合、完了までの期間は当初の予測よりも20%長くなり、予算は最大80%上回る。さらに建設業界の研究開発投資は他の業界に比べて非常に低いという。同組織は2020年6月に発表した調査レポートで次のようにも記している。
建設業は世界最大の業界ですが、業績は良くありません。(中略)時間とコストが予定を超過するのが普通で、業界に大きなリスクがあるにもかかわらず、全体的なEBIT(財務・法人所得税前利益)は約5%にすぎません
建設業界はデジタル時代への適応を始めたところだ。McKinseyのパートナーであり、北米における同社のエンジニアリングおよび建設部門のリーダーを務めるホセ・ルイス・ブランコ氏によると、作業現場の管理や建設物の設計において、デジタルツールの使用が増加している。イノベーションへの投資も増えており、年配の業界人が退職するとともにデジタルネイティブ世代(物心付いたときからITが身近にあり、当たり前にITを利用してきた世代)の業界人が増えているという。
問題は「変革を推進するのは誰か」ということだ。「建設業界自体が既に混乱しているため、新規参入のチャンスがある」(ブランコ氏)
建設業界は、こうした変化する状況の中でさまざまな障害を克服しなければならない。デジタル時代に成功を収めるためには以下を実行することが必要だ。
- 企業顧客にも消費者顧客にも同じように優れたカスタマーエクスペリエンス(CX:顧客経験価値)を提供する
- 期待する成果の予測精度を上げる
- プロセスの変更がもたらす影響をより明確にする
- コストを管理する
- サプライチェーンの効率を上げる
経営コンサルティング企業Ascent Advisorのプリンシパル兼プレジデントであり、ビジネスの戦略的変革に関する著書『Strategic Transformation: How To Deliver What Matters Most』を2020年に出版したフアン・リボルディ氏は次のように話す。「経営幹部にとって最もスマートな戦略は、より多くの情報や透明性、カスタマイズされたサービス、サービスの高速化など顧客の期待が現れるたびにそれを予測する方法だ」
「建設を含め、多くの業界で需要と供給の大いなるミスマッチがある」とクマール氏は言う。どの業界の経営幹部も、変化する顧客ニーズに注意を払い、それに応える計画を立てる必要がある。さもなければ、それが可能なAmazon.comのような企業に敗北を喫することになる。
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