「AIOps」を正しく理解する【中編】
IT運用チームもAmazonを見習うべき理由 「AIOps」の効能とは?
「AIOps」の必要性が高まる理由の一つは、顧客ニーズの変化だ。AIOpsを導入することで顧客ニーズにどう対処し、どのような効能を引き出せるのかを考えてみよう。
システム運用にAI(人工知能)技術を取り入れる「AIOps」によって、顧客に提供する価値はどう変わるのだろうか。前編「『AIOps』の本当の意味 “人間の代替”はよくある誤解」に続き、AIOpsがシステムの運用チームにもたらすメリットを紹介する。
併せて読みたいお薦め記事
「AIOps」の基本を理解する
「AIOps」の導入事例
AIOpsを取り入れれば、運用チームは手作業では実現が難しいさまざまメリットを引き出すことができる。例えば多種多様なシステムのデータを相関付けて、問題を引き起こす可能性がある要因を見つけ、運用チームに事前に通知するようにすることで、システムの処理性能の低下や障害を未然に防ぐことが可能になる。手作業の介在なしにシステムを自律的に動かす自己修復を実現できる可能性もある。セキュリティにおいては脅威を絶えずスキャンし、対策が必要な脆弱(ぜいじゃく)性を見つけ出すことも可能だ。
手作業が必要な従来の運用ツールでは、需要に応じてリアルタイムにリソースの配分を変更することや、データを基に次に起こり得る問題を特定することはほとんど不可能だ。
AmazonがIT運用のお手本? 顧客の“一歩先”を行く運用
AIOpsがもたらすメリットの一つに、顧客の利用パターンの可視化がある。Amazon.comの通販サイトを例に考えてみよう。同社がデータを使ってユーザーの好みの商品を表示していることは周知の通りだ。一方ではユーザーの利用パターンを可視化することで、特定の商品への関心度が急上昇していることを把握し、必要に応じて在庫を補充できるようにしている。結果として商品が顧客の手元に届くまでの時間が短縮する。
同じように、運用チームも顧客のニーズを満たす新製品や新サービスの提供に貢献するために、先を見越して取り組む必要がある。その必要性が高まっているのは、下記のような背景があるからだ。
- 顧客からの要求の高まり
- 顧客はさまざまなアプリケーションやWebサイトを使うことで、企業が提供する製品やサービスの使い勝手や信頼性に高い期待をかけるようになっている。その期待を満たすことができなければ、自社の製品やサービスのブランドが損なわれ、売り上げは減少する
- 多様化するデバイス
- デバイスの新モデルやOSの新バージョンが頻繁に公開されている。自社の製品やサービスでも顧客が利用するデバイスやOSを利用できるようにしておかなければ、顧客を失う恐れがある
先を見越した取り組みは、システム運用の安定性を高める上でも重要になる。想定外のシステムトラブルがビジネスに悪影響を及ぼすリスクがあるからだ。運用チームが想定外の変化に迅速に対処するには、システムやインフラの可視性を高めること、運用の複雑性を解消してアジリティ(俊敏性)を高めることなどが求められる。こうした観点でも、機械学習を基に顧客の利用パターンを分析したり、トラブルシューティングなどのタスクを自動化したりできるAIOpsが役立つ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用 -
技術文書・技術解説
[NTTインテグレーション株式会社] 「耐量子計算機暗号」(PQC)に今、取り組むべき理由とは? 実現の道筋も解説 -
製品資料
[株式会社リンプレス] どうしたら非デジタル人材を「自走するDX推進者」に変えられるのか? -
製品資料
[アステリア株式会社] 既存システムをAIレディに変える「連携型モダナイゼーション」の手法とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
3
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
4
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
5
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
8
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
9
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
10
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
3
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
4
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
9
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー