「AIOps」の必要性が高まる理由の一つは、顧客ニーズの変化だ。AIOpsを導入することで顧客ニーズにどう対処し、どのような効能を引き出せるのかを考えてみよう。
システム運用にAI(人工知能)技術を取り入れる「AIOps」によって、顧客に提供する価値はどう変わるのだろうか。前編「『AIOps』の本当の意味 “人間の代替”はよくある誤解」に続き、AIOpsがシステムの運用チームにもたらすメリットを紹介する。
AIOpsを取り入れれば、運用チームは手作業では実現が難しいさまざまメリットを引き出すことができる。例えば多種多様なシステムのデータを相関付けて、問題を引き起こす可能性がある要因を見つけ、運用チームに事前に通知するようにすることで、システムの処理性能の低下や障害を未然に防ぐことが可能になる。手作業の介在なしにシステムを自律的に動かす自己修復を実現できる可能性もある。セキュリティにおいては脅威を絶えずスキャンし、対策が必要な脆弱(ぜいじゃく)性を見つけ出すことも可能だ。
手作業が必要な従来の運用ツールでは、需要に応じてリアルタイムにリソースの配分を変更することや、データを基に次に起こり得る問題を特定することはほとんど不可能だ。
AIOpsがもたらすメリットの一つに、顧客の利用パターンの可視化がある。Amazon.comの通販サイトを例に考えてみよう。同社がデータを使ってユーザーの好みの商品を表示していることは周知の通りだ。一方ではユーザーの利用パターンを可視化することで、特定の商品への関心度が急上昇していることを把握し、必要に応じて在庫を補充できるようにしている。結果として商品が顧客の手元に届くまでの時間が短縮する。
同じように、運用チームも顧客のニーズを満たす新製品や新サービスの提供に貢献するために、先を見越して取り組む必要がある。その必要性が高まっているのは、下記のような背景があるからだ。
先を見越した取り組みは、システム運用の安定性を高める上でも重要になる。想定外のシステムトラブルがビジネスに悪影響を及ぼすリスクがあるからだ。運用チームが想定外の変化に迅速に対処するには、システムやインフラの可視性を高めること、運用の複雑性を解消してアジリティ(俊敏性)を高めることなどが求められる。こうした観点でも、機械学習を基に顧客の利用パターンを分析したり、トラブルシューティングなどのタスクを自動化したりできるAIOpsが役立つ。
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