サードパーティーcookie廃止がIT部門にもたらす影響【第4回】
ファーストパーティーデータ強化で“脱サードパーティーcookie”する5つの方法
サードパーティーcookie廃止に備え、IT部門はデータ管理を見直しつつファーストパーティーデータを増強する必要がある。具体的に考えられる5つの方法を紹介する。
デジタル広告のための新しい基盤構築が求められている。企業のIT部門はデータ管理を見直しつつ、ファーストパーティーデータ(自社Webサイトで取得したデータ)を増強する必要がある。今回は、企業がファーストパーティーデータを強化する具体的な5つの方法を紹介する。
方法1.顧客レコードに追加する個人識別情報を増やす
個人識別情報の種類(メールアドレス、住所、デバイスIDなど)と、各識別情報の件数(メールアドレスのレコード数など)が多いほど、外部データセットに一致する確率が高まる。あらゆる顧客接点で、さらにデータを収集する機会がないかどうか検討しよう。前の質問への回答を受けてから次の質問に進んで、プロファイルを段階的に充実させていく「プログレッシブプロファイリング」などの手法を使うと効率を高めることができる。
方法2.自社が持つ個人識別情報を徹底的に関連付けて顧客プロファイルの完成度を高める
自社が持つ個人識別情報(アカウント番号やアプリケーションのログイン情報など)を外部データと照合させることはできなくても、自社システム内のデータ同士を関連付けることは可能だ。これにより、各顧客の全体像をより正確に把握でき、自社のプロモーションや類似モデリングの効果を高めることができる。
方法3.個人識別情報以外の情報の収集量を拡大させる
多くのデータを追加するほどプロファイルが充実し、ターゲティングプロモーションや顧客分析の新しい可能性が広がる。
方法4.顧客の同意を獲得し証明する
個人情報保護に関する規制の厳格化に伴い、顧客情報のマーケティング目的での使用や共有について顧客の同意を得ることと、その同意を正確に文書化することがますます重要になっている。顧客情報をどのように扱うかを明確にすることは、顧客からの情報提供や潜在的パートナーとの提携の促進につながる。
方法5.分析能力を強化する
豊富な顧客情報は、それを最大限に活用する分析ができてこそ価値を発揮する。そのためには、一般的な分析プロジェクトに使えるように顧客情報を準備し、形式を整え、アクセス可能な場所に保存する必要がある。専門家と一般従業員の両方に適切なツールとトレーニングも不可欠だ。具体的な分析プロジェクトとしては、顧客プロファイリング、セグメンテーション、予測モデル、ジャーニー(製品購入に至るまでの顧客行動)分析、レスポンス測定などがある。匿名化やデータマスキング、差分プライバシー(個人を特定できないようにしながらデータセットの特徴を共有すること)、データクリーンルーム(アクセスを厳密に制限しながら機密データセットの共有を可能にする仮想的な空間)など個人情報保護に関するスキルの強化が必要になる可能性もある。こうした対策には社内でできるものもあるが、外部の専門家に依頼したり専用ツールを活用したりした方がよいものもある。
顧客データ収集の必要性は今後も続く
企業が直面している多大な難局に比べれば、サードパーティーcookie(他社Webサイトから取得したcookie)廃止はささいな問題に見える。だがcookieは巨大な広告エコシステムの中核だ。それを別のものに置き換えるとなると、広告の購入、ターゲティング、測定の方法を変えなければならず、データやシステム、プロセスや人々に影響を及ぼす。どのような変更になるのか、詳しいことはまだはっきりしない。状況がどう変わろうと、顧客データの強力な基盤は必要だ。IT部門は今から顧客データを強化しておけば、今後どのようなことが必要になっても有利なスタートを切ることができる。
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