IT企業は社内文化に致命的な欠点を抱えているようだ。IT業界での仕事を快適、興味深いと感じているにもかかわらず、多くの若者がIT業界を去ろうとしている。
ITに携わる18〜24歳の若者の59%が社内文化を非常に不快に感じ、退職したか退職を考えているという。マイノリティーグループに属する若者ではその率が高く、女性は64%、ミックス(訳注)は67%、バイセクシャルは68%に上る。
訳注:複数の国、民族、人種的ルーツを持つ人のこと。原文の「mixed-race background」に従い、訳文ではミックスとした。
mthreeのベクス・ロイクロフト氏(シニアディレクター)は言う。「人材を引き付け、確保するためには社内文化が非常に重要だ。企業は若い従業員の話を聞き、そのニーズに応えていることを確認する必要がある」
若者がIT業界を選ばないのには、
など、さまざまな理由がある。
IT業界での体験は完全にポジティブだったと答えた若者が35%だったのに対し、完全にネガティブな体験だったと答えた若者は8%にすぎなかった。だが、マイノリティーグループに属する若者に限定すると比率は変わってくる。IT業界の体験は完全にポジティブだったと答えたのは、ゲイの若者は4分の1、アセクシャル(エイセクシャル、無性愛者)の若者は21%にすぎなかった。
IT業界のダイバーシティーの欠如は、そうした人々の参入を妨げることが多い。2020年の数値によると、英国のIT担当者の17%は女性だった。インド系が8%、黒人、アフリカ系、カリブ海系、英国出身の黒人が2%、パキスタン、バングラデシュ出身者が2%であることも示されている。
mthreeの調査によると、IT業界での体験が完全にポジティブだった若者は、白人よりも黒人の方が57%低いという。
当然のことだが、問題を引き起こすのは仕事ではない。約44%の若者は仕事を快適だと感じており、38%が興味深いと感じている。だが、IT業界で働く若者の71%は性別、民族性、社会経済的背景、ニューロダイバーシティーによって不快な思いをしたことがあると答えている。
マイノリティーグループに属する若者ではこの数値が高くなる。仕事で不快感を覚えた女性は3分の1、黒人の若者では77%、ミックスの若者では83%、バイセクシャルの若者では85%、ゲイまたはレズビアンの若者では87%に上る。
社内文化が不適切だというIT業界の評判は新しいものではない。専門家は、女性技術者の雇用に苦労している企業は、雇用慣行や社内文化に問題がある可能性が高いと主張していた。
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