RPA市場は2025年までに220億ドル規模の成長路線をたどるが、いずれ成長は横ばいになるとForrester Researchはみる。その理由は何か。同社アナリストに聞いた。
調査会社Forrester Researchが2022年2月に公開したレポート「The RPA Market Will Grow To $22 Billion By 2025」によると、「RPA」(ロボティックプロセスオートメーション)市場は2025年までに220億ドル以上に成長する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に伴う自動化の需要が追い風となっている。
こうした中、RPAの市場に変化の兆しがある。「RPA市場の成長は横ばいになる」と、Forrester Researchのアナリストで同レポートの主執筆者であるレスリー・ジョーゼフ氏は話す。その予測の根拠とは何なのか。ジョーゼフ氏に話を聞いた。
―― 「RPA市場の成長は横ばいになる」と考える理由は何でしょうか。
ジョーゼフ氏 RPAは“はかない技術”になる運命だった。2つのアプリケーションを連携させ、その連携状態の中を流れるワークフローを実現することがRPAの主な役割であり、RPAそのものは永続性を意図した技術ではなかった。
「RPAは進化しなければならない」と私が考える理由は2つある。1つ目は前述の通り、RPAは企業が長期的に利用することを想定した技術ではないこと。2つ目は、RPAが役立つプロセスが限られることだ。
RPAを利用してプロセスを自動化した組織の事例を見ると、大抵は財務、会計、人材調達といったバックオフィス業務のプロセスから始めている。このようなプロセスは一貫性があり、RPAが活躍する余地がある。こうした比較的簡単なプロセスの自動化が完了し、次に自動化すべきプロセスを探し始める際に、RPAの限界が露呈する。
通常、共通性や一貫性のあるプロセスの自動化が達成できたら、次は「業界に特化した、さらに複雑なプロセス」の自動化に着手することになる。RPAが破綻し始めるのはここからだ。RPAでは、このような状況を打開できなくなる。自動化対象のプロセスが複雑になると、単純なユーザーインタフェース(UI)のレベルでの連携だけではなく、はるかに多くの機能が必要になるからだ。
RPA市場の成長が横ばいになる兆しに備えて、主要ベンダーは何を始めたのか。後編はジョーゼフ氏にRPAベンダーの取り組みを聞く。
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