企業の経営層が展望を語り、従業員に発破を掛けるだけでは、DXは成功しない。DXの推進に当たって従業員を巻き込むには何を大切にすればよいのか。あるCIOの行動を紹介する。
自動車用品や自転車部品の小売業者であるHalfords Group(以下、Halfords)は、2018年からデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいる。同社の最高情報責任者(CIO)であるニール・ホールデン氏は、レガシー化していた同社のITインフラをクラウドサービスに変更した際に、「難しい」という感想を持ったという。ホールデン氏は何に課題感を抱き、それをどう解決したのか。
ホールデン氏は、レガシー化したITインフラを刷新する際の「投資」に関して難しいと感じた。「新たに導入するシステムやサービスと、バックエンド(システムの構成要素のうちユーザーの目に見えない部分)のような既存の仕組みをどのように連携させるべきかを検討する役割がCIOにある」と同氏は話す。そうした取り組みを進めるに当たっては、関係者が理解できるような説明を心掛け、同意を得ることが肝要だと同氏は説明する。
次に考慮しなければならないのは、DXを進めるために必要な人的リソースの見極めと、綿密な計画の立案だという。Halfordsでは、同社内で進めるSalesforceとMicrosoftのシステムの運用を強化するために外部の力を借りることを選んだ。例えば、インドのITベンダーTata Consultancy Servicesや、データ活用を専門とするRedkiteだ。
ホールデン氏によると、HalfordsではDXに取り組む前に、システムの運用をどのように進めるかについて検討した。さまざまなシステムの運用者がいる中で新たな運用に着手すると、混乱が生じてしまう。そうした事態を避けるために、同氏はシステムの運用者にさまざまな情報を提示した。
このやり方は、DXの取り組み全般において重要になるとホールデン氏は指摘する。従業員が成功の鍵を握っているのだ。「従業員がいなければ何もできない。だから従業員と意思の疎通を図り、関係を維持することが、DXを実現するには不可欠だ」(同氏)
第8回は、DXを通じて売り上げを伸ばした、世界的なレストランチェーンの事例を紹介する。
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