5G対応モジュールはわずか4.3% 60%が使っている通信技術は?LPWAも意外に健闘

多数の機器の接続に有効とされる5Gだが、対応機器はたったの4.3%。市場の大半はあの技術で占められているという。それはなぜか。

2022年03月01日 08時00分 公開
[Joe O'HalloranComputer Weekly]

 ABI Researchが行った調査によると、5Gは多数の機器を接続する重要な原動力であるにもかかわらず、5Gに対応しているIoT(モノのインターネット)セルラーモジュールは4.34%にすぎないという。この調査は、IoTセルラーモジュールサプライヤー52社の過去2年間の活動と入手可能なモジュールのポートフォリオをまとめたものだ。

 IoTモジュールモデル1037台のうち、5G対応モデルはわずか45台だった。

 5Gは消費者向け市場をターゲットにしていたため、自動車分野以外のIoT機器やワイヤレス端末向けには5Gが適用されなかった。

IoTで使われている通信技術とは?

iStock.com/Melpomenem

 カタログに掲載されているモデルで最も多かったのは4Gだった。これは驚くことではない。2Gや3Gとは異なり、4Gはネットワークの落日(訳注:サービス終了)にさらされていないからだ。カタログに掲載されているモデルの60%を4Gが占め、高帯域(カテゴリー12〜20)と低帯域(カテゴリー1〜4)の両方にまたがっている。

 4Gは全世界で利用でき、IoT機器の中長期的な将来を保証するために選択されているという。カタログに掲載されているモデルの20%を構成するのはLPWA(Low Power Wide Area)技術、つまりNB-IoTやLTE-Mモデル(訳注)だ。LPWAはまだ初期段階にあり、モジュールの販売活動の大半は中国におけるNB-IoTだ。

訳注:NB-IoT(Narrow Band-IoT)はIoT機器向けのLTE規格で、下り最大27kbps/上り最大63kbps。LTE-Mは下り/上りともに最大1Mbps。

 LPWAは今後数年内に、スマート街灯など多くの用途で選択される主要技術になる可能性が高い。そう話すのはABI Researchのハリエット・サムナル氏(ハードウェアとデバイスの調査アナリスト)だ。

 ABI Researchの調査結果は「IoT Cellular Modules Model Tracker」に基づく。

 Strategy Analyticsの調査「IoT Licensed Low Power Cellular Connections by Vertical」では、5Gへの移行に際してIoTのニーズを満たすために低電力システムも進化していることが分かった。中国以外でのスタートは遅かったものの、無線局免許が必要なライセンス付きLPWAセルラー接続の市場は2025年までに約9億接続に成長すると同社は予測している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news085.png

35〜49歳の含有率が最も高いのは「mixi2」 ニールセン デジタルがソーシャルメディアの利用状況を発表
ニールセン デジタルはデジタルコンテンツ視聴率のレポートを基にソーシャルメディアの利...

news093.jpg

TikTokのトレンドに変化 なぜ「1分超え」動画が見られている?
Bufferのデータによると、TikTokでは最近、長めの動画が人気を集めている。

news136.png

アドビが「10種類のAIエージェント」を発表 顧客体験はどう変わる?
アドビの年次イベント「Adobe Summit 2025」が開催された。初日の基調講演では、アドビの...