第12世代のIntel Core向け「vPro」は、ファームウェアからOS、メモリに至るまで幅広いセキュリティ機能をそろえるとIntelは強調する。具体的には、どのような機能があるのか。
半導体大手のIntelは、同社のプロセッサ「Intel Core」の第12世代向けの「Intel vPro」を発表した。vProはPCのセキュリティ向上と管理負荷軽減のための技術・機能群だ。vProは特に法人市場のニーズを想定して、ファームウェア層からアプリケーション、メモリに至るまで、幅広いセキュリティ機能をそろえる。
「ハードウェアやファームウェア、OS、アプリケーションを包括的に保護するセキュリティ技術を採用しているのがvProの特徴だ」と、Intelは強調する。例えばvProの構成要素には、OS起動前に実行するBIOSの保護機能「Intel Hardware Shield」がある。Intelによると、Hardware Shieldの狙いはOSレベルのセキュリティ対策が起動する前に発生し得る、BIOSに対するコードインジェクション(悪意ある命令を送り付けることで不正操作を狙う攻撃)を防ぐことにある。
IntelがノートPC向けに導入していた保護機能「Intel Control-Flow Enforcement Technology」(CET)がデスクトップPCで利用可能になったことも変更点の一つだ。CETは、メモリアドレスを書き換えることで不正なアプリケーションを実行しようとする攻撃を防ぐ。
その他、Intel Coreの12世代向けvProは、CPUを介してメモリを暗号化する機能「Intel Total Memory Encryption」(TME)や、アプリケーションのコードの改ざんを防ぐ「VT-rp」(Intel Virtualization Technology with Redirect Protection)などのセキュリティ機能をそろえる。
vProに特徴的な機能としては、セキュリティ対策に加えて遠隔のデバイス管理もある。「法人顧客のニーズに応えるのがvProだ」とIntelは説明する。企業がテレワークに移行したことで、vProの必要性が高まる結果になった。従業員がテレワークを選ぶ場合、IT管理者はPCの遠隔管理と追加的なセキュリティ対策を必要とするためだ。
「第12世代のIntel Coreはシングルスレッド(単一の処理を順番にこなす)とマルチスレッド(複数処理を並列で実施)の両方に応じる効率的なアーキテクチャを採用している」と、Intelは語る。そのアーキテクチャがあるおかげで、ユーザーはPCの性能をより引き出し、さまざまなタスクを効率的に処理しやすくなるという。
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