「vPro」搭載PCは普通のPCと何が違う? テレワークを狙う攻撃に焦点12世代Intel Coreで変わった点

第12世代のIntel Core向け「vPro」は、ファームウェアからOS、メモリに至るまで幅広いセキュリティ機能をそろえるとIntelは強調する。具体的には、どのような機能があるのか。

2022年04月01日 05時00分 公開
[Shaun NicholsTechTarget]

関連キーワード

Intel(インテル) | CPU | 在宅勤務


 半導体大手のIntelは、同社のプロセッサ「Intel Core」の第12世代向けの「Intel vPro」を発表した。vProはPCのセキュリティ向上と管理負荷軽減のための技術・機能群だ。vProは特に法人市場のニーズを想定して、ファームウェア層からアプリケーション、メモリに至るまで、幅広いセキュリティ機能をそろえる。

「vPro」搭載PCは普通のPCではない テレワークでニーズ拡大

 「ハードウェアやファームウェア、OS、アプリケーションを包括的に保護するセキュリティ技術を採用しているのがvProの特徴だ」と、Intelは強調する。例えばvProの構成要素には、OS起動前に実行するBIOSの保護機能「Intel Hardware Shield」がある。Intelによると、Hardware Shieldの狙いはOSレベルのセキュリティ対策が起動する前に発生し得る、BIOSに対するコードインジェクション(悪意ある命令を送り付けることで不正操作を狙う攻撃)を防ぐことにある。

 IntelがノートPC向けに導入していた保護機能「Intel Control-Flow Enforcement Technology」(CET)がデスクトップPCで利用可能になったことも変更点の一つだ。CETは、メモリアドレスを書き換えることで不正なアプリケーションを実行しようとする攻撃を防ぐ。

 その他、Intel Coreの12世代向けvProは、CPUを介してメモリを暗号化する機能「Intel Total Memory Encryption」(TME)や、アプリケーションのコードの改ざんを防ぐ「VT-rp」(Intel Virtualization Technology with Redirect Protection)などのセキュリティ機能をそろえる。

 vProに特徴的な機能としては、セキュリティ対策に加えて遠隔のデバイス管理もある。「法人顧客のニーズに応えるのがvProだ」とIntelは説明する。企業がテレワークに移行したことで、vProの必要性が高まる結果になった。従業員がテレワークを選ぶ場合、IT管理者はPCの遠隔管理と追加的なセキュリティ対策を必要とするためだ。

 「第12世代のIntel Coreはシングルスレッド(単一の処理を順番にこなす)とマルチスレッド(複数処理を並列で実施)の両方に応じる効率的なアーキテクチャを採用している」と、Intelは語る。そのアーキテクチャがあるおかげで、ユーザーはPCの性能をより引き出し、さまざまなタスクを効率的に処理しやすくなるという。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...