フランス公共放送France Televisionsの子会社であるFrance Televisions Publiciteは、クラウドサービスからオンプレミスのインフラに一部システムを戻す「脱クラウド」に踏み切った。頻繁に使うデータへのアクセス性を高めるのが狙いだ。「脱クラウド」の背景を説明した前編「『脱クラウド』に公共放送子会社が踏み切った“なるほどの理由”」に続き、後編となる本稿はFrance Televisions Publiciteが着手したシステム刷新の全体像を取り上げる。
France Televisions Publiciteは脱クラウドに当たり、社内にバックアップ担当者を1人任命した。バックアップの実施のしやすさや利用頻度を考えた結果、SCASICOMPのバックアップサービス「B-Zen」の採用を決めた。同社テクニカルディレクターのパスカル・ラフート氏は、「バックアップ設定の大きな変更に備え、プロに任せた方が賢明だと考え、B-Zenを選定した」と説明する。
SCASICOMPはFrance Televisions Publiciteに、バックアップの状況について定期的に報告する。France Televisions Publiciteが導入したオブジェクトストレージシステム「StorageGRID」のベンダーであるNetAppとも密に連携。技術面の細かい調整をしてもらうようにしている。SCASICOMPはFrance Televisions Publiciteからアクセスのリクエストがあれば、必要なデータをその日に提供する。こうした迅速な対処は、クラウドサービスでは実現できないことがあったという。
France Televisions Publiciteは目下、向こう5年間のデータをアーカイブするためのシステムを構築している。今後、拡張の必要性も見込み「早めに準備して取り組みたい」とラフート氏は語る。
並行して、コロケーションベンダーGreenDataのデータセンター内にバックアップサイトを設けた。そのシステムの管理はGreenDataが担当している。バックアップサイトの構築によって、France Televisions Publiciteはシステムの分散化を進め、停電や自然災害に備える。2022年をめどに、BC(事業継続)とDR(災害復旧)対策を完了させる考えだ。「これにより、ビジネス活動に欠かせないデータの保護を強化したい」とラフート氏は言う。
親会社のFrance Televisionsは、グループ全体でクラウドサービスとオンプレミスのインフラを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の戦略を打ち出している。France Televisions Publiciteの今回の一連の取り組みもその一環だ。
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