企業はNaaSに関心を寄せている。従来のネットワークの運用しにくさを変える可能性があるからだ。ただし企業の理解は表面的なところにとどまっている。その実態とは。
ネットワークをサブスクリプション型で利用する「NaaS」(Network as a Service)。前編「なぜ9割もの企業が『NaaS』に魅力を感じるのか?」は無線LANベンダーAruba Networksの調査を基に、NaaSに対する企業の関心度合いを紹介した。調査に参加した企業の90%近くがNaaSに関心を寄せ、さまざまな期待を抱いていることが分かった。
企業がNaaS利用に意欲的であることは明らかだが、課題も浮上した。調査に参加したIT部門の意思決定者は、NaaSという用語を例外なく知っている。ただしその意味を理解している回答者は少数派だ。課題はそれに起因する。
Aruba Networksの調査では、幾つかNaaSに関する課題が浮き彫りになった。例えば調査に参加したIT部門の意思決定者の59%が「予算ルールと投資サイクル」について、55%が「予算の確保」について、51%が「内部調達のコンプライアンス」について何らかの懸念を抱いている。
こうした回答結果から推測できるのは、より根本的な問題、つまりNaaSに対する理解不足だ。回答者の100%が「NaaSという言葉は知っている」と回答したが、その意味を完全に理解していると答えたのは、わずか5分の2だった。NaaSについて頻繁に議論している企業においても、NaaSを完全に理解していると回答した人は46%にとどまった。
Aruba Networksはこうした理解不足の現状は、NaaS導入の実現可能性にも表れていると指摘する。NaaSを実証済みの有効な解決策だと見なしている回答者は、わずか11%にすぎない。他の回答者は、NaaSはまだ市場を探している概念にとどまっている、または市場ができる過程の初期段階にあると考えている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって、迅速に変更可能なネットワークの必要性が高まっている。そうしたネットワークを実現するためにNaaSは必要不可欠な手段だと、Aruba NetworksでEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)地域担当バイスプレジデントを務めるモーテン・イルム氏は指摘する。企業がNaaSの潜在能力を解き放つためには、「認識のギャップを埋めることに注力しなければならない」とイルム氏は言う。
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