Microsoftは「Windows 365」を物理PCのように利用可能にするための機能を充実させている。これらの機能が「Windows 11」の普及を後押しする可能性があるとの声がある。その理由とは。
Microsoftは、DaaS(Desktop as a Service)の「Windows 365 Cloud PC」(Windows 365)を、物理PCのような使い勝手にすることを目指している。その一環として、同社はユーザー企業の従業員が自宅やオフィスで、Windows 365の仮想デスクトップ(クラウドPC)と「Windows 11」搭載PCを簡単に切り替えて利用するための機能を拡充させる。これによって物理PCでクラウドPCを直接起動させたり、クラウドPCをオフラインで使ったりすることが可能になる。
これらの機能は、物理PCを使い慣れた従業員でも、クラウドPCを快適に利用できるようにする。「ユーザー企業はこれらの機能により、従業員がオフィス以外の場所にいる場合でも、私物端末を使う場合でも、安全に仕事を進められるようにすることができる」。Microsoftが2022年4月に開催したオンラインイベント「Windows Powers the Future of Hybrid Work」で同社の経営幹部はこう述べた。
Microsoftは2021年夏にWindows 365を提供開始した。Windows 365では、競合DaaSのようなデータ使用量に応じた課金制ではなく、ユーザー数に応じた料金体系を採用した。
Windows 365によって、MicrosoftはWindows 11の普及に弾みをつけられる可能性がある。Windows 11は普及がなかなか進まない。ハードウェア要件が厳しいためだ。ユーザー企業はWindows 365を利用することで、ハードウェア要件を満たさない端末でも、クラウドPCを介してWindows 11を利用できるようになる。
後編は、Windows 365のクラウドPCを物理PCのように利用可能にする主な機能を紹介する。
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