GoogleはWeb会議ツール「Google Meet」やビジネスチャットツール「Google Chat」の使い勝手を向上させるための機能追加に余念がない。どのような機能が使えるようになったのか。働き方に与える影響は。
Googleはオフィススイート「Google Workspace」の各アプリケーションに、自動生成による要約機能を追加する。この機能はAI(人工知能)技術に基づき、重要な情報を見つけやすくして従業員の生産性向上を支援する。
2022年5月12日(米国時間)公開のGoogle公式ブログのエントリ(投稿)によると、自動要約機能の追加時期は、Google Workspaceの「スペース」(Spaces)には「今後数カ月の間」に、Web会議ツール「Google Meet」には2023年になる計画だ。同社は2022年2月の時点で、テキスト要約機能を文書作成ツール「Googleドキュメント」(Google Docs)に導入している。
Google Workspaceのスペースは、ビジネスチャットツール「Google Chat」で利用できる、チームメンバーとのチャットルームのような場だ。スペースにおける自動要約機能は、従業員が画面で会話全体をスクロールさせることなく、チャットのやりとりの概要を確認できるようにすることを目的としている。従業員が要約に含まれる項目について詳しく知りたい場合は、クリックすると元のチャットメッセージにジャンプし、前後の文脈に沿って見ることができる。
2022年後半にはGoogle Meetに自動文字起こし機能が加わる。競合のWeb会議ツール「Microsoft Teams」「Zoom」「Cisco Webex」には既に文字起こし機能があり、Googleはこの流れに続く形だ。
自動要約機能は、エンドユーザーが重要なデータを見つけるのにかかる時間を短縮するのに役立つとGoogleは考えている。コンサルティング会社McKinsey & Companyが2012年7月に公開したレポート「The social economy: Unlocking value and productivity through social technologies」によると、平均的なオフィスワーカーは1週間の労働時間の約20%を、社内情報を探すのに費やしている。こうした情報検索の場面でAI技術の支援があれば、浮いた時間をより生産的な仕事に振り向けることができる。
「世界各地に分散しているチームにとっては、特にチャットの自動要約機能が役立ちそうだ」と、調査会社Metrigyのアナリストであるアーウィン・レザー氏は指摘する。グループの他のメンバーと異なるタイムゾーンで働く従業員は、朝の始業時点で未読のチャットメッセージがたまっていることがある。「こうした場面に要約機能があると便利だ。チャットスペースを素早くチェックして夜間のやりとりの概略を把握できれば、時間の節約になる」とレザー氏は話す。
Googleは、機械学習によってGoogle Meetの映像および音声品質を向上させる各種機能を2022年内に提供する。映像品質を改善する「ポートレート復元機能」の処理をクラウドサービスで自動的に実行し、低画質のWebカメラやネットワーク接続に起因する問題を解決しやすくする。「ポートレートライト機能」はスタジオ品質の照明を疑似的に再現し、エンドユーザーが自分の映像の特定の部分について明るさを調整できるようにする。「残響除去機能」を利用すると、エンドユーザーは音が響きやすい空間でも話し声を会議相手にはっきり伝えられるようになる。
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