NIC(ネットワークインタフェースカード)の帯域幅はかつての10Mbpsから100Gbps、400Gbpsへと拡大し、サーバの通信速度を高速化させてきた。その進化系として「スマートNIC」が登場した。スマートNICはCPUの役割を肩代わりするプロセッサを搭載する。
CPUの役割が多様化しその負担が大きくなる中、その課題を解消するハードウェアとしてスマートNICや、CPUに代わるプロセッサの利用が広がる可能性がある。まず強調しておくべき点は、スマートNICは単なるNICではないことだ。
一般的に、スマートNICはストレージやネットワーク、セキュリティに関する処理をCPUからオフロードする。CPUの負荷はその分軽くなり、CPUは重要な仕事に専念できるようになる。スマートNICの代表的な用途としては、
などがある。
コストとメリットのトレードオフが、スマートNIC利用時の基本だ。CPUを重要な仕事に集中させるためにスマートNICのメリットを最大限引き出したいのであれば、その分コストは高くなる可能性がある。
近年は通信データの処理に特化した新しいプロセッサが台頭した。それはスマートNICのプロセッサであり、スマートNICの登場と切り離せない関係にある。そのプロセッサを、CPUベンダーは
などと呼んでいる。汎用(はんよう)の演算処理をCPUが担い、高負荷の演算処理をGPU(グラフィックス処理装置)が担うのと同じように、プロセッサ分野の分業が進んでいるのだ。
データセンターにスマートNICを導入する際は、製品のメリットを吟味して選定する必要がある。スマートNICは製品によって機能や帯域幅、価格が大きく異なるためだ。CPUのオフロードしたい仕事や、利用するアプリケーションの特性を踏まえて適切なスマートNICを選択しよう。さまざまな用途や活用法を想定した新世代のスマートNICが登場している。例えば以下の通りだ。
第2回以降は、スマートNICのベンダー3社の製品をそれぞれ具体的に紹介する。
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