自動化が変えるAPAC主要5カ国の雇用情勢【後編】
日本も韓国も悩む「自動化で失業」よりも深刻な“あの問題”とは?
日本を含むAPAC主要5カ国では、自動化が雇用に大きな影響を及ぼすとForrester Researchは指摘する。ただし雇用を左右する要因は自動化だけではない。各国で異なる事情を整理する。
調査会社Forrester Researchは2022年8月、調査レポート「Future Of Jobs Forecast, 2020 To 2040(India, China, South Korea, Australia, and Japan)」を公開。APAC(アジア太平洋地域)に属する5カ国の経済大国である日本、インド、中国、韓国、オーストラリアでは、2040年までに計6300万人分の雇用が失われるとの予測を示した。主な原因としてForresterは、物理的なロボット技術による自動化による影響を挙げる。ただし詳細な事情は各国で異なるという。
自動化よりも深刻な“あの問題”も APAC主要5カ国の悩み
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連載:自動化が変えるAPAC主要5カ国の雇用情勢
「自動化」関連の注目トピック
雇用の減少について、各国は異なる課題に直面している。Forresterが調査レポートで取り上げた内容を整理しよう。
- 日本
- 少子化と労働人口の高齢化に伴い、2020年から2040年までに労働人口が19%減少する見通しだ。2020年から2050年までに労働人口はほぼ3分の1になるとみられる。
- インド
- 今後20年間で1億6000万人が新たに労働者になり、労働人口は2040年までに11億人に達する見通しだ。労働市場に新規参入する労働者のために雇用を創出することが、主要な優先課題となる。
- 中国
- 2040年までに労働人口が11%減少し、雇用の7%が自動化によって失われる見通しだ。だがIT業界の雇用増加が喪失分を上回り、2040年までに380万人分の新規雇用が生まれるとみられる。
- 韓国
- 日本と同様に労働人口の高齢化に直面している。2040年までに労働人口が23%減少する見通しだ。
- オーストラリア
- 業務を自動化して生産性を高め、人件費を削減する動きが加速している。2040年までに自動化によって雇用が11%失われる見通しだ。
コンサルティング分野や科学分野の仕事は、自動化が難しい傾向にある。これらの分野はむしろ雇用が伸びる可能性があるとForresterはみる。
APAC主要5カ国は、上述の通り固有の課題に直面している。一方で「『女性の雇用拡大』といった普遍的な重点分野への取り組みが、労働人口の減少を補うのに役立つ」と、Forresterでプリンシパルフォーキャストアナリストを務めるマイケル・オグレイディ氏は話す。「STEM」(科学、技術、工学、数学)教育への投資やIT人材の育成、フリーランスワーカーの権利保護も、極めて重要になるとオグレイディ氏は考えている。
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