IT予算は“4割超”の国内企業が増額 ITRが投資動向を調査NEWS

ITRが国内企業を対象としてIT投資動向の調査を実施。4割超の企業が2022年度のIT予算を増額したと回答した。国内ではどの分野への投資が進み、どのような変化が起こったのか。動向を読み取る。

2022年11月25日 13時00分 公開
[成澤 亜希子TechTargetジャパン]

関連キーワード

インフラ | IT投資 | IT戦略 | 業務効率


 調査会社アイ・ティ・アール(ITR)が、「IT投資動向調査2023」を発表した。国内企業でIT戦略やIT投資の意思決定に関わる役職者に対して2022年8月19日から9月1日にかけてWebアンケート調査を実施し、2172人から回答を得た。

 同調査によると、2022年度のIT予算額の増減については41%の企業が前年度から増額した。IT予算額の増減を指数化した「IT投資インデックス」は3.39ポイントで2年連続の上昇となり、2006年ぶりの3ポイント台となった。ITRは、国内企業が2023年度も積極的なIT予算の増額と2022年度と同程度のIT投資への意欲を維持するとみて、2023年度のIT投資インデックスを3.32ポイントと予測する。

2023年度に導入が進むIT製品・サービスは?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)をきっかけとしたビジネスの状況の変化と、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進への関心が投資額の増加につながっているとITRは推測する。企業におけるDX推進の取り組み状況に関して、同社は「コミュニケーション/コラボレーションの高度化」「データ分析を基にしたマーケティングの遂行」「スケジューリング・需要予測の高度化」「新製品・サービスの創出」などの16項目のテーマから調査した(図)。

 16項目の中では「ワークスタイルの変革」と「業務の自動化」の進展が顕著だった。2割超の企業がこれらの項目について「進行中・実施済みで成果も出ている」と回答した。全体を見ると、各項目で「進行中・実施済みだが成果は出ていない」と回答した企業がおよそ2割前後、「社内承認中または企画中」と回答した企業がおよそ3割前後存在している。国内企業はDXで成果を獲得する途上だとITRは考察する。

図版 図 企業におけるDX推進の取り組み状況の調査結果(出典:ITRプレスリリース)《クリックで拡大》

 企業におけるITの主要製品とサービスについて、ITRは2023年度に新規導入する可能性と、既に導入済み企業での投資額の増減傾向を調査した。製品とサービスのジャンルは、「インフラ/デバイス」「ミドルウェア」「業務系システム」「情報系システム」「セキュリティ」の5分野から、全110項目を選出した。

 2023年度に新規導入する可能性が最も高かったのは「電子契約/契約管理」で、2021年度の調査と同様の結果となった。投資額の増減指数の高さでは、前年度2位だった「ビジネスインテリジェンス(BI)/データ分析」が1位になった。

 投資額の増減指数が高い製品として5位以内に入った、

  • AI(人工知能)と機械学習プラットフォーム
  • パブリック5G(通信事業者が提供する第5世代移動通信システム)
  • IoT(モノのインターネット)

は新規導入する可能性の高い製品の5位以内にも入っている。このことからITRは、これらの製品は未導入の企業と導入済み企業の双方で、投資意欲が高くなっていると推測する。

 Web会議用アプリケーションなど、COVID-19の感染拡大で導入が進んだ製品やサービスへの投資はオフィス回帰の動きで落ち着き、2023年度はビジネスで成果を出す製品やサービスへの投資に関心が集まるとITRは予測する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

鬮ォ�エ�ス�ス�ス�ス�ス�ー鬯ィ�セ�ス�ケ�ス縺、ツ€鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス

製品資料 TDCソフト株式会社

たった一週間でDXを加速 「ServiceNow導入・活用」徹底ガイド

デジタル化における部分最適の課題を解消し、全体最適を実現する次世代プラットフォーム「ServiceNow」。その特徴や導入事例とともに、スピーディーかつ低コストで業務効率化を実現できる導入テンプレート製品を紹介する。

製品レビュー TDCソフト株式会社

リソースや人材が不足する企業が「ServiceNow」を楽に導入・運用する方法とは

デジタル化が加速する中で、システムのサイロ化に課題を抱えている企業も多い。こうした状況を解消するために、あらゆるシステムや業務をつなぐ管理基盤の導入が注目されているが、リソースや人材が不足する中でどう進めればよいのか。

製品資料 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

ビジネス価値の測定にFinOpsを活用、クラウド変革で得られる5つのベネフィット

企業のクラウド移行が進む一方、「クラウド化によってどれだけの効果が得られたのか」といった疑問は拭えない。この疑問を解消する鍵は「FinOps」の確立だ。本資料では、FinOpsに基づき、クラウド活用による5つの利点について解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

設計品質の向上と設計時間の大幅短縮を実現、DXを加速させるAI基盤の実力

東洋エンジニアリングは、2019年にDXoT推進部を立ち上げ、全社横断的なDXに取り組んでいる。そこで従来、一部の部門で活用されていたAI基盤を他の部門に展開することで大きな成果を生み出したという。同社の取り組みを詳しく解説する。

製品資料 TeamViewerジャパン株式会社

スマートロッカーのトラブル対応、リモートでリアルタイムに行うには?

スマートロッカー(自動で荷物の預け入れなどが行えるIoTベースのロッカーシステム)が普及する一方で、遠隔地に分散する多数の装置を効率的かつ安全に管理・保守することが難しくなっている。この課題解決のカギを握るのがリモートだ。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

繧「繧ッ繧サ繧ケ繝ゥ繝ウ繧ュ繝ウ繧ー

2025/05/05 UPDATE

IT予算は“4割超”の国内企業が増額 ITRが投資動向を調査:NEWS - TechTargetジャパン 経営とIT 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

鬩幢ス「隴取得�ス�ク陷エ�・�ス�。鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�、鬩幢ス「隴主�讓滂ソス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�シ鬩幢ス「隴乗��ス�サ�ス�」�ス�ス�ス�ス鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ゥ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ュ鬩幢ス「隴趣ス「�ス�ス�ス�ウ鬩幢ス「�ス�ァ�ス�ス�ス�ー

2025/05/05 UPDATE

ITmedia マーケティング新着記事

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...