主要CPUベンダーのIntelとAMD、IBM。各社のCPUのうち、仮想マシン(VM)の利用に適した製品はどれなのか。各社の主要製品を説明する。
仮想マシン(VM)をホストするサーバを選択する際には、メモリやストレージ、ネットワーク機器に加えて、「CPU」(中央処理装置)のスペックを考慮することが重要になる。CPUについては、コア数とキャッシュメモリの容量、動作周波数(クロック数)の評価が必要だ。
VMのユーザー企業はCPUを選ぶ際、VMで実現したいことが何かを確認するとよい。サーバの設置スペース削減が主な目的なら、クロック数の大きさよりもコア数の多さを重視する。データの転送速度を重視するのであれば、クロック数を多くして、コア数を減らした方がよい可能性がある。
主要なCPUベンダーとして、IntelとAMD(Advanced Micro Devices)、IBMが挙げられる。これらの3社が提供する、VMに適したCPUを紹介する。
IntelのCPU「Intel Xeon Bronze」製品群は、小規模な事業や基本的なストレージサーバに適している。「Intel Xeon Silver」「Intel Xeon Gold」の各製品群は、Intel Xeon Bronzeと比較してキャッシュメモリのデータ伝送速度や容量が大きく、複数のセキュリティ機能を備える。
AMDのCPU「AMD EPYC 7003」製品群は、8〜64コアを搭載し、16〜128スレッド(コアの処理単位)を処理可能だ。同社は、CPUを選択するのに役立つTCO(総保有コスト)計算ツール「AMD EPYC SERVER VIRTUALIZATION TCO ESTIMATION TOOL」も提供している。
IBMのCPU「POWER9」はメモリの接続方法として、数を増やして処理能力を向上させるスケールアウト型と、メモリ容量を上げて処理能力を向上させるスケールアップ型の2つを可能にしている。外部システムとの連携を強化する目的で、I/Oサブシステムを搭載していることが特徴だ。NVIDIAの「NVLink 2.0」や標準規格の「PCI Express 4.0」「OpenCAPI」などのI/O規格と互換性を持つ。
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